インディ・ジョーンズ5が待ち遠しい「ウエスト・サイド・ストーリー」

ウエストサイド

オススメ度:★★★★☆(4.0)
理由:こんな映像表現もあるんだなぁと
感心した次第.息のあったダンスのシーン.
スティーヴン・スピルバーグがどのように
仕上げたのか.リ・メイク版に望んだ
心境には何かあるんだろうから.
あのアカデミー賞を受賞した
『ウエスト・サイド物語』に
挑んだのだから,
何か考えがあったんだろう.
そして今回も本作で
ノミネートされているから凄い.
そんな作品を観ないわけにはいかない.
特にオリジナルの見せ場は
後半部分にあったように思う.
エンドロールにいたる最後の30分だ.
だから2時間30分必要だったの
かもしれない.確かにミュージカルで
表現する物語には,
どれも深い感謝と愛がありそうだ.

人種のるつぼのアメリカと
言われて久しい.
東欧系移民とプエルトリコ系移民,
そして,現代風にアレンジされた
トランスジェンダーも含めている
点にも注目したい.移民同士の争い事.
あらためてシェイクスピアの,
あの「ロミオとジュリエット」を
取り入れたブロードウエイミュージカルが
凄いここを痛感させられた.
筋書きはわかっているのに
観ていると切なさが残るのは間違いない.
旧作と新作の表現の違いを
どこで感じるのかも本作の見所のように思う.

結局争い事は最悪の結果は死.
でも,死なないような戦い方と
いうのはないのか.
できないのことなのか.
結末が切なすぎるから,
せめて助けて欲しいと願うばかり.

しかし,そこが本作の見所でも
あるから仕方のないところでも
あるが,むしろ愛する人を
殺されたこと,大切な仲間が殺られたこと,
結局の所,育んだ友情や愛が,
意図的に人によって
なされた場合に,
それは憎しみに変わる,
その負の連鎖から
逃れられそうに無いのが
この世の常.

そんな世の中に,スピルバーグなら
風穴を開けて大胆な切り口に
してもよさそうにも思う.

見た目は一見美しいように見える.
しかし本当に人として,
その考えや行動はどうなのか.
冷静に鑑賞すると,
そこも考えさせられて興味深い.
そもそも睨み合っているお兄さんと
恋仲のトニー,そしてマリアとアニータ.

身内の兄を殺されても,
それでも,そこに「愛」が
成立するのか.言い訳や状況
説明のない状態で
人は愛があれば
無条件に相手を信じてしまうのか.
如何にしたら,
そんな心の状態に陥るのだろうか.

そこを現代風に脚本できないのかな.
ロミオとジュリエットの
ベースでない別の解決策.
そんな脚本にすると,
逆にB級作品になるかもしれませんね.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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