ANA機内でアカデミー賞作品を鑑賞「ドリームプラン」

ドリームプラン

オススメ度:★★★★☆(4.1)
理由:タイトルからして,
「壮大な夢計画」
絶え間ない努力が最後は実を結ぶ,
といった内容と思っていた.
見事に期待を裏切り,
ストイック過ぎるほどの
自己中心的な素人の父のプラン.
これまでの常識をマトモに
聞こうとせず,わが道を行く.
しかし,常識は疑った方がいい.
変革は内側にはないのだ.

一見,異常とも見える
その考えに
よくも妻も子どもたちも
家族もついてきたなぁ.
信じれば救われる?のか本当に.

ま,結果して成功したのだ.
勝てば官軍.実話こと尊い.

これまでのブルジュワ白人が
するスポーツとされ.
セレブなスポーツいう常識を
塗り替えた功績,黒人の星には
違いない.

結果があってこそだ.
結果が無かったとしたら,
単なる実に惜しい,
笑い話となったかもしれない.

これが実話だからこそ,
絵になるのだ.常識を疑うことだ.

周辺はすべて,
自分と正反対な意見.
一人ぼっちでも,
それでも自分の意見を
貫くことが
果たして出来るのか.

後ろを決して振りむかないで.
只ひたすら前だけ見て…
黄泉の国からの脱出劇で,
ついには自分の不安に
打ち勝てず,振り向いてしまい,
神との約束を反故として,
成就できない寓話は
あちらこちらにある.

一人ぼっちで
不安になることなく,
貫くとは.その「志」が半端ない.
まさにミラクル映画だ.

あのテニス選手グランドスラム達成の
ビーナス・ウィリアムズと
セリーナ・ウィリアムズ姉妹の父であり
コーチであるリチャード・ウィリアムズの
生涯を描いた伝記作品.
テニス経験全く無しの父である
リチャード・ウィリアムズ.
そんな彼の計画は,
はっきり言って異常ですwww

テレビで優勝したテニスプレイヤーが
4万ドルの小切手を受け取る姿を
見てから,
「そうだ自分の子も
世界チャンピオンにしよう」と,
その気になったという.
彼のドリームプラン計画書は
78ページにもなる力作.

これまでの常識では,スポーツも勉強も
英才教育は環境,
中でも資金環境は根強い.
彼は,追い風に吹かない逆境の中.
有名コーチに嘆願して無料で
コーチをお願いする.
そんなこと普通はできない.
諦めるだろう.
だからこそ,常識でない,
非常識な行動なのだ.

そして次は,
なんとジュニアで連勝していた
ビーナスを3年間試合に
全く出場させないという行動.

非常識な対応に翻弄されるのは,
むしろ作品を見ている我々の方.
「大丈夫か,この父親!」
と,言いたくなる.

しかし結果は,
リチャードに微笑んだ.

世間で行われている常識とは?
一体何か.

それは本当に
娘のためになっているのか.

世間では
両親はじめ周り期待されて,
その重圧に耐えきれずに,
事件を起こす子どもたちが
後を絶たない.
今年の大学センター試験でも
不正行為や怪我を負わせる
事件があったばかり.

親が良かれと思うことが
実は違っていたり,
これまで悪いと思っていたことが,
意外にも本当は
合っていたり.

常識とは本当はわからないもの…

まるで神田昌典「非常識な成功法則」
まずは常識のコンフォート・ゾーン
から一歩外へ.
そして俯瞰することが大事だ.

そのことを教えてくれる作品.

テニスの経験が全く無くとも
独学でここまでできるのか.
王道も常識も無視.

「諦めずに続ける」という
ことなのかもしれない.
ただ,そこには単に馬鹿に
我武者羅だけではなく,
父は父なりに,
彼なりに研究し尽くした成果が
あったんだろう.
テニスの教育法を研究し
尽くしたその結果だろう.

常識破りの計画を
実行に移すシーン.
ピンハネするチンピラが
はびこる公営テニスコート.
周囲からの苦情など
もろともしない.
姉妹の才能をいち早く
見抜いたコーチから
提示された金額も
相手にしない強気さ.
まるで,ここまでくると,
父親は神がかりだ.

名門エニススクール
に通うも学業最優先という
「今どき」のスポーツ
馬鹿養成とは全く違う価値観.

簡単に美談で片付ける
内容ではない.
かなりエッジの効いた作品だ.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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