オススメ度:★★★★☆(4.0)
理由:決してクオリティの高い作品ではない.
雑なところもある.どちらかと言えば,
子ども向け作品だろう.しかし気持ちは通じる.
前半は少したるいかも知れませんが,
後半はかかなり共感できる.
ほっこりするにはちょうどいい.
本作は人気絵本「おばけずかん」の
実写映画版.TVアニメとは似て非なるもの.
構成や理屈にハテナもいっぱいあるし,
何よりもストーリ展開も先読みできてしまう.
だが,小6仲良し三人組の大冒険.
子役の演技は今ひとではあるものの,
それが返って初々しさを引き出している.
結構楽しむことが出来た.
同じ異空間のパラレルワールドの
世界を表現するには,
クリストファー・ノーラン監督のような
高いパフォーマンスを求めるには無理がある.
「諦めずに進めよ!」「友達を大事にせよ」
というメッセージに加え,
「ありがとう」の感謝と「思いやり」は
十分に伝わる.そう思って素直に鑑賞すれば
中々のもの.最後の新垣結衣演じる
産休臨時教師が,生徒の前で挨拶する時に
流した涙.それには心洗われます.
エンドロールの後にオマケまで
付いているのでお得感もある.
予告編では,ものすごく怖い感じがしたが,
全く怖くない.むしろネバーエンディング
ストーリーのような,小学生向きの作品に
仕上がっています.
ストーリーからすると,
願いを叶えるための試練に
「命がけ」にしては,
少し物足りなさも残る.
でも最後はスッキリほっこりする
ストーリー.
そのゆるさがちょうどいい.
わかりきったセリフ,
想定範囲内でもありながら,
それでも不覚にも泣けた.
特に後半の30分が
中々の見応えがあったように思う.
確かに現実の3次元の
この世界では,過去は変えられない.
だから「今」を生きるしか無い.
たとえ「不慮の事故」も起きた事実は
もとに戻らない.時とは情を挟まないのだ.
無情であるが,何とかしたいと
乞い願う気持ち自我.
その自我の中にあって,
人のためにと思うは無駄でない.
そんな一面もあるように思う.
たとえ異次元空間の
記憶が消されても,これから沢山
思い出はつくればいい.
ポジティブなセリフ
「思い出はこれからたくさん作れる.
だって僕たちは子供なんだから」
しかし還暦を過ぎたおっさんでも,
人生100年時代.
まだまだこれからやりたいこと,
そして記憶に刻むことはできる.
特撮や技術,脚本とか
評価の部分はあるにせよ,
大人が鑑賞するには
物足りなさがあるが,
こうした子ども向け作品からも
学ぶことが多い気がする.
「絶対にあきらめるな」
それと「でも大丈夫」が響いた.
投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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