我慢と辛抱,人生の舵を切るタイミングを教えてくれる「わたしは最悪。」

わたしは最悪

オススメ度:★★★☆☆
理由:さすがにアカデミー賞で
ノミネートされただけあって
骨太作品だ.わかるけど,
モヤモヤ感が残る.勿体ない人生.
でも,だれもが通る道かもしれない.
それにしても,このモヤモヤ感を
なんとかしてほしい.
それでもいくしかない.

主人公の女性ユリアは
気がつけば30歳.
医学部に進学するほどの才女.
せっかく持っている有り余る才能を
なんで,そんなに簡単に
次々と乗り換えてしまうのか.
自分のしたいことが見つからない.
確かに気持ちはわかる.
そんな彼女は成績優秀.
まずは医大に進む.
そこは思っていた
想像と違うということで,
今度は心理学者を目指す.
しかしそれも長続きしない.
それもまた違うと主張する彼女.
次は写真家を目指していく.

医者,心理学者,アートやカメラ,
芸術など.他にもっと相応しい
ものがきっとあるはずだ!
と迷い彷徨い,探し回る.

才能があり過ぎるのも
良し悪しかもしれない.
あれじゃない,これじゃない.
一体人生というのは
何度やり直せるのか.
時間は使い方は無限にあるが,
やはり時間自体は無限にないのだ.

仕事探しの他,恋愛もしかり.
この人じゃない.あの人かも.
これも同時に選択できない.
二股というのもあるが,
そんなに簡単ではなさそうだ.
心変わり,人は迷う.

そして経験を重ねるうえで
諦めや妥協もする.

素直に自分に向き合い,
考え込むと,
そのことで返って悩み苦しむ.

自分なりの結論が出たら,
即行動する.これはもう善悪ではない,
そこには何か見えない糸のような,
別のものがあるような気がする.
人は漂う.
素直だからこそ漂うものかもしれない.
人生の岐路に立つ時,どちらを選ぶか.
眼の前に起こる出来事は自分の世界.
そもそも選択しないと進まない.
失敗しないとチェンジできない.
理想を追い求めても届かない.
正直に生きていくのは
本当は辛い選択なのかもしれない.

漫画家の一回り年上の彼の成功.
その裏腹に自身は彷徨いつづけている.
彼女自身「焦燥感」
一生彼の脇役としての人生で
良いのか?そうした背景には,
父親の存在があったようにも
見える.父性コンプレックスか.

ラストシーンには
パンドラの箱に残った
「希望」がみえた.

人生の選択は難しい.
正しいかどうかは,
本当に紙一重で分からない.

結局は妥協せず,
中庸を選択しない…
その先には「後悔」が
待っているから.
そう思うとこのまま,
コンフォートゾーンから
出ないという選択も
あるように思う.

辛抱と我慢

そして思い切って舵を切る.
舵を切るのは,
我慢と辛抱と真逆に
存在するものなのだ.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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