実話を基にした作品「義足のボクサー GENSAN PUNCH」

義足のボクサー

オススメ度:★★★☆☆(2.5)
理由:実在の義足のボクサー 土山直純.
彼をモチーフにした作品.
せっかくのヒューマンドラマである.
もっと共感や感動を生む作品に
仕上げてほしかった.

こんなに健闘している人がいる.
しかも実在しているという事実.
作品に残す価値はある.
それだけに実に惜しい作品.

しかし,
フィリピンの生活は非常に
イキイキと描かれていた.
もの凄い感動も
共感もない作品ではあるが,
なにせ実在する人物を
描いている点で
考えさせられる部分が多い.

プロボクサーを目指して,
単身で沖縄からフィリピンに
渡った青年,津山尚生(なお).

彼は沖縄で母親と2人暮らしだ.
幼少期に右膝から下を失い
義足の状態.

プロボクサーを目指すものの.
義足というハンディは大きい.
日本では残念なことに
プロライセンスの取得は
できないという.

恐らく日本では
本人の怪我のリスクを考え,
規則が厳しいのかもしれない.

そうした規則によって,
ハンディを背負いながらも
やりたいという「夢」を
奪ってしまう.
大半はそこで諦めてしまう.

それでも夢を諦めなかった彼は,
単身でフィリピンへ渡り
ライセンスを取得することを
決意するんだ.その経緯も詳しく,
心の描写を含めて描いてほしかった.

プロライセンスを取得には,
協会の試合で3勝する
必要があるという.

同僚,応援,仲間,
そして八百長試合,
欠点を付く攻撃など.
淡々と表現されている.
カメラワークから
その心情が伝わる.
しかし,パンチ力が弱い.

実在をモデルにした
作品ではあるが,
もう少し脚本,
なんとかならなかったのか.
実に惜しい.
せっかくのモチーフが
勿体ない.

諦めない努力と,
人間臭さ….
イマひとつだった.

果たして彼は
プロボクサーの資格を
手に入れることができるのか.
そして「プロ」として
食っていけるのか?
世間を観ても.
元世界チャンピオンですら
生活は困窮しているのだから.

だからこそ,
サクセス・ストーリーとして
もっと上手く描いてほしかった.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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