心が洗われる「凪の島」

凪の島

オススメ度:★★★★☆(4.1)
理由:サザエさん風というか,
朝の連続テレビ小説風作品には,
たしかに非現実な描写もあるかも
しれないが,こうでありたい現実を
しっかり見せてくれるのも
映画の醍醐味だ.こうした登場人物に
悪い人が出ない作品は,心が安らぐ.

どちらかと言えば骨太作品が好きだが,
たまには「ほっこり」する作品を
魂が欲しているのかもしれない.
瀬戸内海だけに凪と掛けているところも,
洒落ていてユニーク.
エンディング曲がまさに海を
イメージさせて良い終わり方だった.
心が洗われる.素直になりたいと思う.
素直に自分と対峙して,
諦めない気持ちが湧いてくる.
いい作品だった.

両親の離婚で母の実家の山口の
とある島(下松市笠戸島という噂)で
暮らす小4の凪.
心に傷を持ちながら,それでも明るく
振る舞う凪.それが切なくて愛しい.
映画館で思いっきり泣ける作品だ.
離婚した父は医者でありながら,
もの凄いアルコール依存症で
毎日のように母に暴力を振るう.
それが原因で離婚.そうした暴力を
毎日のように見てきた凪は,
それが原因で心に傷を持つ.
いわゆる過呼吸症候群である.

凪は母親に引き取られ,
母の実家に移り住む.
一方母は,本土の病院で看護師を
しており,祖母は医師で,
島で診療所の営んでいる.
祖母,母と凪の3人暮らしだ.

島の小学校は,全校で
小4が2人.小6が1人,
小1が1人の合計5人.
そこに埼玉から赴任した若い女性の先生,
そして用務員さん,漁師たち.
そんな島の人々.人は誰だって様々な
悩みを一つ二つは抱えている.
それぞれの人々の悩み.
その伏線も作中でひとつひとつ
回収され,見応え十分な作品だ.

そんなある日,父親がアルコールを
絶って更生している真っ只中で,
よりを戻そうと島に訪れる.
父はその後猛省し,
アルコール依存症を更生する会に
入会している.父は母と寄りを
戻したいと思っている.
でも,堂々と母には言えない.
だから凪に母に隠れて会っているのだ.
そんな父に凪は
「凪にとってはパパとママ.
でパパとママは互いに今となっては他人,
だからしっかりしないと」と言う.
そうだ,そうなんだ!
時に子どもから教えてもらうことがある.
そう思える瞬間だ.

そんなエピソードが多く織り込まれ,
泣いて笑ってほっこりできるこの作品.
映画館で観た作品の中には,
本当に映画館で観て良かったと
思う作品とNetflixやAmazon primeでいいや,
という作品があります.
本作は映画館で観る作品だ.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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