「いつだってやめられる10人の怒れる教授たち」観ました

イタリア映画イタリア映画。テンポが良くて、それでいて痛快風刺コメディというだけのことはあって、笑える。しかしブラックユーモア・皮肉も描かれており純粋に笑えないところもあって楽しい映画でした。

この映画には前作があって、「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」2014年があった。
前作のストーリーは以下の通り。
「大学に勤める神経生物学者のピエトロが、予算削減で職を失う。研究に人生を捧げてきた彼が出した結論は合法ドラックを作って稼ぐこと。そのために元同僚で自分と同様な不遇な研究仲間を集めて犯罪集団を作る。」というもの。
今回のストーリーは、
ピエトロが、仲間と合法ドラッグ製造で一儲けを企むも、結局は逮捕され服役。そこから映画がはじまる。
世間では新しいドラッグが横行し、警察当局は摘発に手を焼いていた。そこで警部パオラは、ピエトロに犯罪履歴の帳消しと引き換えに、捜査協力を持ちかける。その取引に乗ったピエトロは国内外にバラバラになった研究仲間を集め研究ギャング団を結成して、次々と解決していく。でもその結末は…。

まさに痛快。研究者の失業は国家の損失かも知れませんね。運とかご縁に見放された研究者たち。でもその知恵が半端なくで面白い。スペシャリストと反社会的行動は表裏一体なのかも知れません。

調べてみると、この作品の背景が面白い。
2009年にギリシャの借金で始まった欧州危機。そのアオリをモロに受けたイタリア。大学の研究費削減など多くの研究者たちの収入はカットされて職を失った。彼らは職を求めて海外に転出したという。
希望する本業に戻ることができなかった研究者たち。その研究者たちが本業とは全く別の世界で活躍する…といった皮肉たっぷり痛快風刺コメディである。

研究者といえる立場ではないものの、博士の端くれとして(笑)、非常に考えさせられた作品でした。

知性とは、知力とは、一体どういう形で還元すべきなのかな?

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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