実話に基いた作品は多少粗々でも重みがあるもの『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』

オススメ度:★★★☆☆(3.8)
理由:ソ連に潜入するまでの経緯が
丁寧に描かれいない点はあるものの,
さすがに事実に基づいた作品は迫力がある.
国家とは何か.大義とは何か.
冒頭の豚.「豚から人へ、人から豚へ、豚から人へ」…
考えさせられる作品.
それにしても,才女役のヴァネッサ・カービーは
綺麗だ.それだけでも鑑賞する価値はあります.

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完璧すぎるエンタメ作品『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

Booksmart

オススメ度:★★★★☆(4.0)
理由:愉快で,斬新なストーリ.
次々とまるでジェットゴースターのような展開.
ありきたりの青春コメディではない切り口に
感動すら覚える.涙も笑いもあり.
これは面白すぎ.完全娯楽の決定版だ.
それでいてほろ苦いところも織り込まれており,
まさに洗練さえた作品だ.

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人の一生は儚い.死を悟るった時に何を想うのか『ポルトガル、夏の終わり』

夏の終わりに

オススメ度:★★★☆☆(3.0)
理由:登場人物が多く,
その相関関係を理解するのに
飛び交う多国言語.
英語・仏語・ポルトガル語を使い分け.
ちょっと頭を使います.
死を悟ってなお,人は何を想うのか.
次の世代のためにする行動とは.
そんなことを考えました.少し奥が深い作品です.

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リーマンショック.派遣切り.理不尽でも合法だから虚しい『時の行路』

時の行路

オススメ度:★★★☆☆(3.2)
理由:サクセスストーリではなくて,
現実を見せつけるような,
こうした作品も必要だ.
この,もやもや感を一体どこに
ぶつければいいのか.
その歪を正すには法の改正も
必要かもしれないし,
そうした社会の風潮も左右されるから,
それ自体を変えていく運動もする必要がある.

そしてそんなに頑張っても,
必ずしも,成功しない.
希望も絶望へと変化していくかもしれない.
それでも生きていく.

失敗や苦悩,葛藤,現実はその連鎖.
そうした人生もある.それでも生きていく.
たくましさ.
虚しさ.それが描かれた作品だ.

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この本は凄い,人生7回の裏.そろそろ潮時かと思ったが甘かった…『還暦からの底力』

MMP

『還暦からの底力』出口治明・著 講談社
オススメ度:★★★★★(4.5)
理由:これは売れるはずです.
なんといっても還暦に近い年の
私のグサグサ心に刺さります.
このベストセラー本には,
多くの還暦世代の人は救われます.
また,若手の方にも是非オススメの一冊.

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日教組製作ではあるがニュートラルに見ることができる作品「ひろしま」デジタルリマスター版

ひろしま

オススメ度:★★★★☆(3.8)
理由:これまで日本の戦争映画には,
美化したりヘンに蔑んだりした思想が
見え隠れし,抵抗があったのでそうした作品に
触れることを避けてきた.
しかし,過去のことをニュートラルで見る目を
養うことも重要だ.
ここ数年は夏には,
そうした作品に触れている.
また絶好の機会の月でもある.
そのチャンスを逃すことはない

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井上ひさし戯曲の映画化,宮沢りえと原田芳雄が素晴らしい「父と暮せば」

父と暮せば

オススメ度:★★★★☆(3.8)
理由:苦悩のうちに亡くなった身内.
そして親友を思う気持ち.
自分だけが幸せになっていいのか?
と悩む娘の葛藤.見ていて切なくなる.
今のように,何不自由ない時代を
生きているからこそ,そうした気持ちを感じる.
そして,一日一日を大切に過ごしたいと思う.
亡くなってから10年.
井上ひさしさんは生き続けている.
戦後75年の節目だからこそ,
こうした作品が劇場で見られ良かった.
言葉というのは,思いが広がる.
素朴ながら見て損はない作品.
是非劇場でみたい.

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実話に基づくサクセスストーリーには神の存在すら感じる「ファヒム・パリが見た奇跡」

ファヒム

オススメ度:★★★☆☆(3.2)
理由:単なるサクセスストーリーと言った面とは別に,
「フランスは人権の国ですか?
それとも人権を宣言しただけの国ですか?」
難民移民問題としても,
そして運命についても考えさせられる作品.
つい偏見で見てしまう,
そうした自分とも対峙することもできる
良い作品でした.

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1994年にタイムスリップ,懐かしい記憶が蘇る「はちどり」

はちどり1

オススメ度:★★★★☆(4.2)
理由:これはタイムスリップした感覚.
スクリーンに惹き込まれる感覚だ.
当時の自分が重なる.しかし,それでいてグイグイと
引っ張られる感覚ではなく,徐々に波が押し寄せてくる
感覚だ.登場人物に悪役は誰一人いない.
そうした時代だったことを感じる.それがまた重い.
一瞬先は闇.精一杯生きようと思える,
そんな作品です.是非御覧ください.超オススメです.
思わず『はちどり』のパンフレットを購入.
大林監督の遺作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』
と同様,後で深く知るために是非購入した方が
いいと思う.

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