オススメ度:★★★☆☆(3.6)
理由:ストーリが拙速ではあるものの,
亡き息子のゲイバーのお店の再建や
彼女の行動力から学べることは多い.
70,80歳でも
出会いもあるし恋愛もできる.
勇気をもらえる作品だ.
ゲイの息子,
カトリックの両親は
当然彼を勘当し,
その後は疎遠となった.
そんなある日に
息子の急死の知らせが来る.
勘当した息子の葬儀
には行かない父.
母は後悔の念がある.
せめて最後だけは…と
葬儀に出かける母.
彼はゲイバーを
経営していた.
その相続権は両親にある.
そのゲイバーは大赤字だ.
売った方がいいと
思うのは自然の流れだ.
父は全く相手にしていない.
とっととゲイバーを
売り払うことを考える.
一方母のほうは
息子に対する想いが強い.
葬儀にも出かけるし,
あの火の車のゲイバーを
立て直そうと
張り切るのだ.
女装する
ドラァグクイーンの
亡き息子.
その仲間たち.
それまで
全く眼中にも
なかった価値観の違い.
そんな世界を知った母が
取った行動が凄い,
とても純粋な気持ちになれる.
あの夫婦で平凡な毎日
は何だったのか.
そんな生活を
送っていた彼女.
そんな彼女が
そんな世界を知って
価値観が変わる.
そこで,その行動で
実は勘当同然の息子は
母のことを
想っていたと知る.
亡くなった
彼の仲間たちは
綺麗で歌も上手い.
まるでこれは
ミュージカル映画かと
思わせるような曲の連続.
息子は恐らく
30代なんだろうなぁ.
母親は何歳なんだろうか
60か70歳の設定なのか.
人生7回の裏.
後半戦が面白い.
コンフォートゾーンを
超えることから
スタートするものだ.
そんな母親の行動力に
感心する.
後悔しないためには,
やはり行動することなんだと
あらためて思う.
これまでの
自分の常識で考えれば,
どうしても
「この先真っ暗」と思える.
しかし,
これまでの価値観を
捨てると,
いくらでも
明るくみえるものだ.
そんなことを
この作品は教えてくれる.
ほんの少しの笑顔.
ほんの少しの優しい気持ち.
ほんの少しの勇気.
それでチェンジが
できる可能性がある.
そして新しいことに
チャレンジができるんだ.
過去の自分の考えが
たとえ過ちだったとしても,
それを自身で赦して,
そこからスタートしても
遅くはない.
彼女の恋愛も
そこからスタートだ.
熟年の恋愛は
見ているだけでも
ワクワクする.
2020年に観た
「また、あなたとブッククラブで」を
思い出す.
70,80でも恋愛もこれからだ.
同性愛者の息子の夢.
そんな夢を叶え,
息子の仲間や
その周辺までも愉しくさせる,
そんなチカラが
彼女にはあったのだ.
現実の
辛いことや悲しいことから
脱却するのは難しい.
そんな世界から
少しはこの作品で
希望が生まれるし,
まだまだやれるかも…
と思わせる.
あの曲で
涙が溢れることもしばしば.
曲も歌詞もいい.
涙あり笑いあり.
母親の演技に癒やされる.
投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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