オススメ度:★★★☆☆(3.4)
理由:コロナ禍社会での
もやもや.そうした
なんとも言えない淀んだ感が
吹っ飛ぶストーリーでスカッと
爽やかになりたい人には
超ススメのアクション映画.
いやエンタメ色濃厚の作品.
戦いの本能を
呼び覚ましてくれる感覚.
そして妙に満足感.
重いテーマも無く気軽に
観ることができる.
複雑な映画の醍醐味もなく
至ってシンプル.
おでん君こと
ボブ・オデンカークが
演じるハッチ・マンセル.
冴えないお父さんが実は…
毎週毎週いや毎日毎日
同じことを繰り返す
極々平凡な男.
妻も息子も冷めた視線.
唯一幼い娘はパパを
慕ってくれる.
そんな箸にも棒にも
かからない冴えない男.
それが何かをキッカケで
大きく歯車が回っていく.
それにしても,
ボブ・オデンカークが
カッコいい.
普段は平凡な夫が
突然変身するその姿は
古き良き時代の
スーパーマンを観るようだ.
職場も家庭からも軽く
見下されている駄目な
夫であり父親像.
映画は人々が
叶わないものを
その場だけでも時限付で
見せてくれる.
このビフォー・アフターの
落差が大きいほど,
見ているこっちは
たまらなく興奮し
高揚してしまう.
『ザ・ファブル』の
岡田准一もそうだが,
普段が平凡過ぎるほど
その意外性がいい.
彼の謎の過去.
今回の作品では見られなかった,
これはシリーズ化して
謎解きをして欲しい.
ノーバディとは“何者でもない”
つまりは,彼は単なる会計士だという.
ゴミ出しもできない駄目夫.
変身すると豹変する.
またハッチの父親もカッコ良すぎる.
バックトゥー・ザ・フューチャーの
デロリアンを作ったドク,
クリストファー・ロイドが演じている.
ご健在で何より.
悪者を片っ端から倒しまくる.
人が次々倒れていく,殺されていくも,
そこには恐怖はなく,爽快な気分になる
そんな自分にちょっと怖くなった.
銃社会とはそんな気持ちが
誘発させるのかもしれない.
まあ,生命の問題とかは
少し棚に預けて見た方がいいかもしれない.
肩肘張らずに『ランボー』と同じ感覚で
あまり考えないで見ればいいかも.
そうしたド派手なアクション
だけでなく,
家族愛や夫婦愛についても
感じさせる部分もあり,
それがまたいい味を出している.
Bグルメならぬ
B級アクションの連続ではあるが,
それでいて勢いとテンポも
相まってあっという間の90分だ.
凡人を舐めんなよー,って感じでいい,
『るろうに剣心』も
余りに強くて,
普通の家庭に憧れた人生を
求めていく.
強すぎて登りつめると,
下界が恋しくなる.
「山を思えば人恋し、人を思えば山恋し」
に妙に似ている.
世の中の理不尽に怒りを爆発.
超ブチ切れ.徹底的に
悪を叩きのめす姿はアッパレだ.
投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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