オススメ度:★★★★☆(4.0)
理由:まさに骨太作品.
重厚感溢れ,感情が湧き出る作品だ.
観ていて,悲惨過ぎて心が折れそう.
こんな3人にしたのは
環境なのか何なのか.
人を愛せない.
人とどのように接すれば
いいのか分からない.
それはあまりに切ない.
悲惨すぎて笑えるというオチ.
不幸の上にまた不幸が
覆いかぶさる.
そこにはほのぼのとした
家庭の温もりには程遠い.
何かが足りない.
さすがこれぞ韓国映画.
娘との不仲.そして夫の不倫.
幼い頃のトラウマ.
その時の環境のせいなのか,
親のせいなのか.それは継がれるのか.
あるいはパートナーのせいなのか.
それとも自分のせいなのか.
観ていて気の毒になるほど.
そんなチグハグな三姉妹が
見せてくれます.
三姉妹に隠された深い闇.
幼い頃の記憶.
三姉妹の三者三様.
長女は
元夫の借金で
その返済のために
花屋を営んでいる.
そして病に侵されている.
いつも謝ってばかりいる.
次女は
キリスト教信仰者で
高級マンションに住み
一見華やかであるも,
実は夫は浮気し,
体裁を取り繕って
生きている.
三女は
売れない劇団の脚本家で,
とっても自己中で
そのうえアル中.
それは手のつけようがない.
余りに下品極まりない三女.
それ嫌う血の通わない息子.
性格といのは
環境がそうさせるのか.
なぜこうも違った姉妹となったのか.
三姉妹には一番下に弟が居る.
彼も悲惨な人生を歩んでいる.
それぞれ三姉妹の抱える問題と,
親子の関係,夫との関係.
生きる道も
歩む道も互いに違うのに,
それでも親兄弟は
切っても切れない関係なんだ.
韓国に根強く残る家父長制.
そしてキリスト教信仰.
三姉妹は
父親の誕生祝いに
故郷に戻る.
そこからまた,
ドラマがスタートする.
序盤は,
本当に見るに堪えない内容.
実はそれあ次なる故郷へ帰る
ストーリーの伏線だったとは.
まんまとしてやられました.
そんな行動を取らざるを
得ない過去の出来事.
それは父親の暴力にあったのか.
「82年生まれ、キム・ジョン」
を思い出す.
本題では,家父長制の暴力が
被害者を今度は加害者作っていく.
幼い頃にされた
トラウマが原因なんだろう.
やられたことは
決して消えない.
それでも自分の人生だから,
なんとかしたい.
希望はあると信じたい.
カスやクズのような
人生でも,どこかで,
だれかが変えないと,
その負の連鎖は永遠に続く.
しかし,それはそんなに
簡単ではない.それでも
希望はありそうだ.
ダメ元ではなく,やれると信じて
続けるしかないのだろう.
投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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