「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」観ました

7人イタリアのコメディ映画。7月に鑑賞したのは2作目の「いつだってやめられる10人の怒れる教授たち」を観ました。これは1作目の作品。
7月から何とかモヤモヤ感たっぷりのまま、DVDか何かで年越しか…と思ってました。ところがなんと偶然にも、名演小劇場で3作一挙公開というイベントにめぐり逢い、劇場で観ることができた。良かった偶然に感謝。

この作品は、リストラされた学者たちが、麻薬取締法に引っかからない、いわゆる「法律上合法なドラッグ」でひと儲け。個性豊かな素人研究者ギャング集団。決して、良かった、良かった…めでたい、という終わり方でない。それがイタリア映画。良いことは決して長く続かない。僅か2時間の中で凝縮されているまさにドラマなのだ。

人生を研究一筋で捧げてきた研究者達。大学側の経営難から研究費を削減され失業。そこで合法ドラッグで一儲け。その集団は実に個性豊か。経済学、化学、人類学、ラテン語の専門家たち。

大学側の先生は、経営者側の立場だから大学予算や運営のこと。学生を早く卒業させたくてしょうがない。一方、主役の神経生物学者のズィンニは研究一途。一生懸命の授業をするも、全くそれとは対象に授業を聞かない学生たち。授業料は補習料を収めない学生たち。そのくせ貧乏な研究者とは対象に、お金持ちの学生。彼女とのドライブ、夜遊びには惜しまず使う。ところが勉強にはお金を使わず、遊びには惜しむこと無くお金を使う学生。

私の身近にも似たようなことを聴いたことがある。給食代や教材代は未納だけど、ガソリン代やパチンコ代は惜しまない保護者がいると。こうした社会の問題を風刺している作品でもある。

今回の作品では、前回観た2作目の鑑賞で、悶々としたものが。ああ、そういう経緯だったのか。そういう意味だったのかと、数々の疑問が解決した。中でも一番の収穫は映画のタイトルである。「いつだってやめられる」とは一体何を指しているのか。ああ、そういう意味か。これまたスッキリした。

さて、イタリアと言えば、もうひとつの楽しみがその風景やファッション。やっぱり御洒落。彼らも合法ドラックで豊かになり、おしゃれを決めているけど、どことなく似合ってがいるけど、研究オタクらしさらしく、3枚目がちらつく。どことなく滑稽で憎めない。

あまりのおかしさ、バカバカしさに、ついつい笑ってしまう。
まさにエンタメ。本当に幸運だった。★★★☆☆

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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