早朝6時半。同志社大の宿泊施設で前日にタクシーを呼んだが、来てくれないという。どこのタクシー会社にかけても同様だった。あそらく採算が合わないのだろう。ここから2km足らずのためにお迎えに行くのは、考えてみれば、相手の立場にたてば、納得もする。仕方がないので、やむを得ず歩くことにした。道に迷うというリスクも加味して30分に+αを見込んで、宿泊施設を後にした。約2km足らずの道をぶらぶらと、琵琶湖を撮ったり、回り道をしながら、そう、道草をしながら30分程度。とても気持ちいい。こんな気分で時間を使ったことは日常生活では非常に少ないのだ。
視線を中央にやると霞んでいる琵琶湖が見える。幻想的である。空なのか、湖なのか境界線がない。
琵琶湖は名古屋から比較的近い。しかし敢えて旅行に行く場所でもなく、まじまじと湖を見たのは、ひょっとしたら初めてかも知れません。歩くというのは、じっくり風景を眺めることにもつながる。
ここで、琵琶湖について、ちょっと調べてみたくなった。琵琶湖といえば、わが国最大の湖である。そして10万年以上前から存在する古代湖らしい。古代湖というのは世界でも20ほどしかないという。一般的に湖というのは、寿命があって、地球規模からすると、せいぜい数千年から数万年らしい。考えてみれば、雨が降り、土砂を運んで河川から湖に流れ込むから、当然湖は埋め立てられることになる。それが、埋め立てられずに10万年以上も湖を保つというのは摩訶不思議なことなのだ。それ故に、そんな長い間に、この琵琶湖で生息しながら進化した生物は貴重だという。だから希少な魚も多いらしい。最近は外来種の影響で危惧されてはいるけど。この湖の水が、淀川となり、瀬戸内海へと流れていく。
名古屋の私からは、どうしても米原や賤ヶ岳、余呉湖の方が馴染みがある。いわゆる湖東の方だ。湖西は関西という感じがする。湖西線。乗れるだけでワクワクしてしまう。
こうした歴史を感じる湖。単に地学的だけでなく、文化的にも、北国街道や水運の発展もあったわけで、そういう意味からも趣のある湖だ。
宿泊施設から10分程度歩くと、近江湖の辺の道の標識があった。
そして、国道から離れ、旧街道へと行く。この湖に漁港がある。なにか絵になるような風景で、懐かしい香りがする。時間がゆっくり流れるように感じるのは、朝早く、清々しいからなのかも知れません。
旧街道には近江街道だけに道端に地蔵菩薩が鎮座され見守っている。旧街道は、それとなく昔の雰囲気があるように思う
全く知らない土地を歩くということは、新たな発見もある。タクシーでは味わえない、有り難い体験をした。こうした機会を与えてくれたことに、この偶然も感謝!感謝!
投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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