「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」観ました

映画

「クリムト展 ウィーンと日本 1900」が東京都美術館で4/23から7/10まで開催されました。その後、7/23から運良く愛知県・豊田市で10月まで開催されています。こうした偶然も必然なのか、だからこの映画を観る機会に恵まれたのか。こうしたご縁に感謝です。

さて、この映画作品ですが、もちろん実在の人物を題材としたドキュメンタリーになっています。著名な人たちのコメンテーターでその絵画作品の紹介をしています。19世紀末のオーストリア・ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムトとエゴン・シーレの没後100年にあわせて製作されたものだそうです。クリムトと言えば、「エロス」と「死と隣わせ」の雰囲気を感じさせる絵画。そしてその弟子というべきシーレ。
クリムトと裸婦モデルとの関係については、あまり詳しくは解説することはありませんでした。少しだけモデルとの間でクリムトの子どもが居た…との解説が少しあった程度です。

19世紀末の当時の常識では、完全に逸脱した異端児の集まりだと思われていたんだろうと思う。官能と愛をテーマにキャンパスに描く。今でこそウィーン分離派の時代をウィーン黄金時代ともてはやされている。当時は、単なるヤンキーと写ったのかも知れませんね。そうした絵画を鑑賞する前に、本映画作品を観ることができてラッキーです。
なんといってもこの作品は、普通のドキュメンタリーなら対象の絵画について、その描かれている対象や技法、芸術性やテーマ、画家の人生などを深く掘り下げていくことが多い中、この映画作品はひと味違う。このドキュメンタリーは19世紀から20世紀にかけての時代背景や価値観を重視している。こうした絵画が発展した背景としてとらえているのだ。当時、ウィーンと言えば貴族中心で謳歌していた。そこにイギリスからの産業革命、そしてフランス革命、加えてスペイン風邪で亀裂が生じていたのだ。ウィーン自体は没落の最終局面だったんだろう。そうした背景であらわれたのが音楽でもあり絵画でもある。アートや医学や社会構造の変革であったのだ。だからフロイトの精神医学についても広く語っている。第一次大戦前後までの背景も関連している。
ただこの作品は、肝心の「クリムト」については、あまり深く突っ込んではいない点。全クリムトとシーレをきっかけにウィーンの時代全体を俯瞰している映画作品である。
クリムトの情報だけが目的ある人にとっては、書物以上なものが必ずしも得られるわけでもないと思います。★☆☆☆☆

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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