視覚障害者が何かの犯罪目撃者となったとしたら…その発想が凄い! まさに「見えない目撃者」なのだ。

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自分のした過去を許す。
そして、これからを「生きる」その意味を確認することが大事なんだ。

オススメ度:★★★★☆
理由:話題性のある映画だなぁ~っていう程度の感覚で鑑賞した映画。
ところが、意外に凄かった。
まるで小説を読んでいる感覚でみることができる。
サスペンスものや、犯人は誰だろうと推理小説が好きな人にはオススメです。
絶望の淵に居ても、それでも、何が役に立つことはあるんだ。
無駄な人や不要な人などは社会には存在しないはずだ。

この作品は韓国映画のリメイク版です。
たしかに+R15指定になっていますが、決して「ピンクもの」ではありません。
残虐な犯罪。
足立区綾瀬の事件を思い出させる凶悪犯罪のような作品表現。
それがリアルに映像に表現されているからこそ、指定されたのだろう。

本作品は2011年に公開された韓国映画『ブラインド』のリメイク版だ。
「ブラインド」というのは視覚障害者のこと。
このリメイク版は、中国が先に、そして今年日本でも制作されたのだ。
中国のリメイク版は2015年「我是証人」だ。

日本のリメイク版、吉岡里帆が主演。なかなか良かった。
これまで特に、彼女のファンではありませんでした。
この作品で彼女のファンになりました。
何やらオーラすら感じられた。
素直さと、それに加えて負けん気というか、
研ぎ澄まされた鋭い物腰が惹きつけられる。
そうした感覚がスクリーンを通して感じられます。
視覚障害者としての演技。
まるで瞳孔が開いているかのような目の演技。
惹かれました。

役柄では自身の運命に挫折もするが、
その中でも、一隅を照らす光。
それは諦めない力。根性が光っている。
それに惹きつけられる。

やる気スイッチはいつでも、何処かに、
誰にでも備わっているかも知れませんね。

警官、自衛隊、行政職など、
本来は「市民を守る立場」のある人達。
その人達が治安を守るという名目で、
逆に「市民を取り締まる」こともある。
原点に立ち還ることの大切さも考えさせられます。

事故で失明した彼女。
深い闇の中に身を沈める彼女。
ある日、車とスケボーとの接触事故に遭遇する。
そこから物語は始まるのだ。
原作とは、似て非なるもの。
そもそも女子大生が女子高生になるあたりが日本らしい。

手に汗握るストーリーは、筋が一本通っていて、
実にわかりやすいのだ。
ストーリーは重苦しいものとか考えさせるもなく、
スッキリとわかりやすい。

ただ、日本の社会の問題点を突いてはいると思う。
そもそも家出少女には、その理由がある。
本人にも、もちろん理由があろう。
すべてが周りの環境・影響でもないだろう。

それでも育児を放棄したネグレクトの親。
その家出した少女を商売とする社会環境。
SNS、Insta、JKビジネス、SNS、
精神病質者(サイコパス)さまざな社会の取り巻く環境。
そうした環境をどうしたら良くなるのか?
そんなことも考えさせられる。そんな作品だ。

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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