この作品の凄いところは、
ノンフィクションの望月衣塑子著「新聞記者」から
脚本してサスペンス作品にするところが凄い。
内閣情報調査室
の存在。多田智也演ずる田中哲司の鋭い目つき殺気づいた目つき。
主役の杉原拓海演ずる松坂桃李は、同じ内閣情報調査室。
彼の見せる家庭と仕事。その狭間で葛藤が実に良く表現されている。
ヒロインの吉岡エリカ演ずるシム・ウンギョンは、知的な感じ。
全く色気は感じないが、迫力ある演技だった。
この作品タイトルは「新聞記者」ではあるが、
なにやら「働き方」とか「生き方」「正義」といった言葉が
ピンとくるような感じでした。人間の葛藤、悔しさなど。
全部がまとまっている。
自分をどこまで正直に、
あるいは逆に、計算して打算して生きていくか。
反政府作品の色合いが濃いだけに、
観ていて、ちょっと怖くなった。
こんなことはないだろうと思いつつ、
本当にあったとしたら本当に怖い。
そして、
だからこそ大きな映画館ではやっていないのかな?
そんなことも思ったりした。
特に作品内容から森友学園や加計学園を想定する設定が、
なんとも反政府というイメージを持たれかねない仕上がり。
にもかかわらず、この難しい役の出演を承諾した
松坂桃李という俳優は若いのに大物だ。ホント凄いなぁ。
共感する部分がとても多かった。
伊藤詩織さん事件とか、上司の命令でつくったチャート図とか。
なかなかエグイ内容でもある。
『i-新聞記者ドキュメント-』も一緒に味わえる映画館。
その企画も素晴らしいと思う。
ところで下世話な内容で恐縮ですけど、
本田翼の妻役はいい。
オススメ度:★★★★☆
理由:もう一度、確認したい作品だ。これが現実なのか。
杉原の葛藤が良くわかる。本当に素晴らしい作品だと思う。
必ずしも現実ではないかも知れませんが、
もちろんフィクションではあります。
でも、ある程度当たらずとも遠からず…かも知れない。
逆に、全く現実からは外れかも知れません。
これが現実か非現実かは関係なく、胸をえぐられた作品には違いない。
ま、どんなことでも、挫折すること無く、
勇気をもって対応するってことでしょうか。
この作品を作ったのも凄い。
そう思います。何しろ奥深い。
人生は一度っきり。
「今という時間をいかに生きるか」
韓国、台湾でも上映されるらしい。
オススメです。
映画CMもなければ、何もない作品だからこそ凄みがある。
封切りしてから、観客を動員が凄かったのも納得です。
本当に見逃したのが映画館で観れて良かった。
心に刺さる作品です。
投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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