心が洗われた作品「悲しみよりもっと悲しい物語」

オススメ度:★★★★☆(4.0)
理由:「今」叶えられないことは,
「来世」に願うものなのか.
それとも「永遠」に
叶えられないものなのだろうか.
当たり前の生活がどれほど貴重で
大切なのか.
普段どおりとは,
どれほど有り難いことなのかが
よく分かる.

孤独を通じて,
その辛さを知ったもの同士だからこそ,
より深くなるものかもしれない.

人は,
どんな絶望の淵に居ても,
生きられるものだ.

普段は相手のことを想い合うことは
日常では殆どといってないからこそ,
こうした作品に今の自分に無いものを
求めているのかもしれません.

最初の一時間は,はっきり言って,
手垢のついた月並みの内容.
しかし後半からのこの展開が凄い.
本当に見事に落とされました.

登場人物が少ないほど,
心に訴えるものが多いと感じた.
実にシンプルで味わい深い,

そして,
泣けるほど,怒れる,
人生の理不尽さ感じる.

勇気ある一歩で,
自己開示,弱みを見せたら
ひょっとして,
この結末も変わり,
普通の人生が踏み出せたかもしれません.

その一歩の勇気
踏み出すこととは,
そうとうの覚悟と勇気がいるのだと.
踏み出せば世界は
劇的に変わるはずなのに。

この見るからにお涙頂戴モノといったタイトル.
このタイトルからして,
泣かせる系だな?と思えます.
こんなクサイ作品ってどんなもののかな?
って,ちょっと軽く,しかも斜に構え,
腕を組んで観てました.
ところが完璧にハマりました.

比悲傷更悲傷的故事”More than Blue”
この作品は2018年台湾映画.
実は2009年韓国映画のリメイク版らしい.

確かに韓国ドラマのようなシナリオで,
予告編のあらすじだけで,
ほぼ理解できる内容だ.
ところがそれでもヤラれましした.
内容がわかっていても
共感と感情移入できるものですね.
これは凄い.いい映画です.
筋書きは至って単純です.
自分が亡くなった後のことを考えて,
好きな彼女を別のパートナーに託す…
そんな単純な内容で,
それがわかっていても,凄かった.

最後の30分はホントに泣けます.
そして心洗われる思いです.

肉親と生き別れとなった天涯孤独の男性K
交通事故で家族を亡くした女性クリーム.
高校一年生で出会うあたりは,冬ソナのようで,
何かワンパターンだなぁ~と思った次第.

さすが,封切りに台湾国内で映画興行収入
ランキング1位だけはある.
オリジナル版も観たくなりました.

水戸黄門的な終わり方でなくて,
少し,いや,悶々とする.
しかし,独占欲とか我儘とか,
あってより人間らしい.
作品には観客が「わかる」「わかる」って
共感できるかどうかで
評価というのは決まるのだ.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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