人の一生は儚い.死を悟るった時に何を想うのか『ポルトガル、夏の終わり』

夏の終わりに

オススメ度:★★★☆☆(3.0)
理由:登場人物が多く,
その相関関係を理解するのに
飛び交う多国言語.
英語・仏語・ポルトガル語を使い分け.
ちょっと頭を使います.
死を悟ってなお,人は何を想うのか.
次の世代のためにする行動とは.
そんなことを考えました.少し奥が深い作品です.

淡白でありながら,その中に隠されている意図.
それを感じたい人にはよいかもしれません.
ポルトガルの美しい風景が夏の終わりを,
人生の終焉を感じさせます.

ヨーロッパ映画界の大女優,
彼女が癌で余命間もないことを悟る.
その役を演ずるのがイザベル・ユペール.

ユペールといえば,なんといっても
第89回アカデミー賞主演女優賞に
初ノミネートされた作品『エル ELLE』(2017).

そして最近では,
あの悍ましい作品『グレタ GRETA』(2019)
が思い出されます.

さて,その末期癌の彼女にとって,
最期になるだろう夏の終りにポルトガルに
彼女は,家族ならびに友人を呼んだ.
一体彼女が望んだ家族との対話とは
何だったのだろうか.

この作品は,
一族全員を呼んで自身の人生を振り返る…
そうした,ありきたりのお涙頂戴モノではない.

↓↓【ネタバレ 注意】↓↓
実は彼女の心残りは,
一人息子のポールのことだった,
彼女の友人で,とてもお気に入りの
アイリーンを引き合わせたかったのだ.

人には,一人ひとりにまた別の,
それぞれの人生があり,
必ずしも自分の思い通りにはならないものだ.
↑↑【ネタバレ 注意】↑↑

作品の殆どが,ポルトガルの情景と,
話し合う人と表情だけ.
美しい夏のバカンスを楽しむだけに,
確かにその景色にうっとりする.
彼女の心残り以外は,事件が発生するわけでもなく,
もちろん,劇的な出会いがあるわけでもない.
淡々を進んでいくのだ.

登場人物に誰一人,悪い人はいない.
人は,
つい一言余分なことを言ったりするものだ.

会話と表情から,お家事情,
娘家族だったり,息子だったり….
実の子だったり,連れ子だったり.
複雑な家族関係が徐々にわかってくる..

登場人物が序盤に多いだけに,
その人間の家系図が入らない.
必死に鑑賞しながら,思いを巡らす必要がある.
これは正直,見入って疲れるか,
あるいは,脳の疲労で逆に眠くなるかのどちらかだ.

人生は何が起こるか,この先未来もわからない.
人生は彷徨していくものかもしれません.
旅も散歩も,その偶然すらも,人生模様そのものだ.
人の心も,喧騒の夏が終りを告げるように,
人生のピークを過ぎ,まさに終えようとする
沈む夕日のような情景が,少し寂しい.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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