当たり前のことは.本当は奇跡なんだとわかる「朝が来る」

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オススメ度:★★★★☆(4.2)
理由:これは原作を読みたくなった.
2016年本屋大賞5位
ラストシーンを読みたくなった.
人生いろいろ.何があるかわからない.
それでも,素直に実直に生きていく
ことしかできない.
流されてもそれでも生きていくこと.
過去を消すこともできないし,
無いことにしない…
いろいろ教えてもらえる作品です.

原作は辻村深月によるミステリ小説.
2016年に東海テレビで
ドラマ化された作品.
テレビでは安田成美が主演した.
映画では永作博美が主演.
監督は河瀨直美.

不妊治療をしても恵まれない夫婦.
「血がつながっていなくても
母と子になれるんです.」と言われて,
複雑な気持ちになるものの決心をする.
そして特別養子縁組で子を授かった.
一方,中学生で妊娠し,
我が子を手放した幼い母.
生まれた子どもへの手紙を託す
そんな心優しい少女.
この2つの家族の過去から
現在に至るまでの
環境だったり,
夫婦間の気遣いだったり,
少女と施設の責任者,同室の
同じ境遇の人たちだったり,
それぞれの気持ち,
葛藤.そして決断.

紆余曲折,失敗経験.
裏目裏目に回転する人生もあるし,
その逆もある.
それでも人生は捨てたもの
じゃない.

無いことにはしたくない
のだ.

良かれと思ってしたことが,
その親切が仇となることもある.
仕打ち,何で私ばかりに….
それでも言いたい.

どんな悲惨な中でも
夜は明ける.
朝は来るのだと.

キャッチフレーズ
「子どもを返してほしいんです」が
寂しく響く.

「子どもを授かるのは奇跡」
子どもが居て当たり前はない.
恵まれていることに感謝だ.

エンドロールが終わり,
最後に持っていかれた.
何でも原作のエンディングが
叙景的だという.読みたい.

180度違った価値観と境遇.
この表現が素晴らしい.
たとえば,
永作演ずる佐都子と
蒔田彩珠演ずるひかりの人生.
そしてその家族も対照的だ.
夫が無精子症による不妊と
中学生同士の恋愛による
望んでいない妊娠もそうだ.

一見,すれ違いそうな,
佐都子とひかり.
実は共通点もある
のかもしれない.

「起きたことは無かったことにならない」

そこには
どんなことにも意味がある
ことなのだ.

家族とは血縁関係だけでは
語り尽くせない何か
別のものがあるような気がする.

産みの母を演じた
蒔田彩珠(2002年生まれ)
といえば是枝裕和監督の
『万引き家族』(柴田さやか役)
よりも,
やっぱり何と言っても,
『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』だ.

単に共感ではく,
それぞれの人生,立場,環境があり,
その時どのような選択があったとしても,
進む道は前しかないということを
教えてくれるそんな作品だ.

人の感情や心を描いた作品には
そうした魅力がある.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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