互いに別の人生でも幸せだけど,でも切ない「シェルブールの雨傘」

オススメ度:★★★★☆(4.0)
理由:ストーリは
シンプルでありながら,
それなのになぜか
「切なさ」が
こみ上げてくる.
美しく超有名な
ミシェル・ルグランの音楽,
そして
カトリーヌ・ドヌーヴ
…最高です.

タイトルだけは
聞いたことがある,
名作名高いこの作品.
セリフが全部
ミュージカルという
1964年のフランスの
ミュージカル映画だ・
もちろん,
カトリーヌ・ドヌーヴと
あの超有名な曲.
ミシェル・ルグラン.
どちらも超美しい.
ミニシアターにて
「カトリーヌ・ドヌーヴ.
ベストセレクション」
として上映されていた.
デジタルリマスター版だ.

一言でいうと
「やっぱり切ない」

ラストに
大どんでん返しが
待ち受けていたら…
と思いつつ鑑賞.

たった二年の歳月.
短いようで長い,
そんな時間が,
あれだけ互いに
愛し合っていた二人.

女性が不安になり,
そして諦め,
慕ってくれる
別の人の元にいく.
あの二年間で
気持ちが変わる.
1950年代後半.
今では連絡の手段が
いくらでもあるが,
当時,連絡手段は郵便だけ.
ケータイもSNSもない.

互いに確認しあい愛を
育むことができない現状.
徴兵制で軍隊に入れば
連絡が取れないかもしれない.
そんな中で最悪の展開は,
相手と連絡が
取れない状態だということだ.

もう少し,後もう少しだけ,
ほんの少しだけでも
彼の帰還を待って欲しかった.
それもエゴかな.切ない.
あれほどまでに
愛し合った中なのに,
それでも連絡が取れないと
女性は不安になる.
でもそれをスクリーン越しで
観ている観客は,
そうした運命になる二人を
思うと「やっぱり切ない」
妊娠までしてもなお,
別の元へ
行ってしまうものなのか.

そして新しい彼の行動.
たとえ元彼の子どもを
身籠ったとしても,
好きだから,
一目惚れだからと,
それでも求婚を求める姿勢.
そこには深い愛を感じる.
嫉妬や
やっかみが一切ないという
と嘘になる.

それでも懐の
大きい新しい彼.

複雑な想いがよぎる.
切ないけど
幸せならいいのかな.
「ラ・ラ・ランド」も
そうだったけど.
やっぱり切ない.

ストーリ設定・展開も
わかりやすい.
というか
とてもシンプルな内容だ.

一組のカップルが
徴兵期間中に
別れてしまい,
別々の人生を歩んでいく.
傘だけで
生計を立てるのは
難しいだろう.

おばに可愛がられて
育てられている環境.
介抱してくれる娘さん.

自分の実の子が
直ぐ側に居るのに,
そうと知っていて
会わないという
選択肢はあるのだろうか.

一声かけたくなる.
元カレも凄い.

その気持ち.踏ん切り.
今の幸せがあるから.
思い出は現実化しないと,
きっぱりと
ケジメをつける元カレ.
やっぱり切ない.

人生は一度
すれ違ってしまうと
決して元にも戻らないものだ.

ラストシーン…
本当に考えさせられる.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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