イタリア原作には到底及ばないと感じた「おとなの事情 スマホをのぞいたら」

大人の事情

オススメ度:★★★☆☆(3.4)
理由:喜怒哀楽,笑えるけど,
修羅場もあったり,考えさせる
ものもあったりで愉しめる.
でも,やっぱりキャストは
素晴らしいけど,
やはり所詮コピペはコピペ.

原作イタリア映画『おとなの事情』
リメイク版.
キーワードは,コンビーフと
古い新聞記事
その脚本や演出はわかるけど,
それでも特にラスト10分,
日本版リメイクは,
やはり原作には到底及ばない.

スマホから次々に暴露される
個人の秘密.
その秘密が大混乱を起こす.
実にテンポよく展開される.
役者の表情.言葉のやり取りで
緊迫感が走る.
言葉とはまさに言霊だ.
軽い言葉に重い言葉.

各国でリメイク版が
作られる内容だけのことはある.

イタリアの原作版は,
これぞまさに映画の醍醐味.
それに比べると
日本版はやっぱり
「おとなの事情」が浅い.
本作のエンディングは
水戸黄門的で都合良すぎ.
ちょっと無理があるように
思う.

昔,危機を乗り越えた者同士.
特別な絆で結ばれた7名.
ラストの終わり方は,
それなりに収まりそれで
良いかもしれないが,
やはり原作の終わり方が,
「これぞ映画の醍醐味」
といった感じなので,
それには及ばない.

唯一良い点を挙げれば,
普通ならば知り合いに
なりそうにもない
7人の男女.
毎年決まって集まる.
主食はコーンビーフ・ホームパーティ.
原作がシリアスだっただけに,
常盤貴子と田口浩正の夫婦の
笑える応酬が面白かった.

何とか,その場の窮地から
逃れようとする発言,
友人のため,その名誉のために,
事実を告げるところは,
セリフだけではなく,
顔色で演じるとはさすが
一流の大物役者.

ほぼ最初のストーリは
原作と同じで,
ホームパーティで
みんなの前で全員が
スマホをテーブルに置く.
SNSやメールが来たら
みんなに見せ合う.

電話はスピーカーで
会話を聞かせる.

それで秘密が一つ一つ
バレていく.

やはり,
絶対知られたくないのが
特に夫婦の間には
少なからずあるものだ.

ちょっとこれは凄すぎで,
卒倒するような秘密.
特に愛人が妊娠.
身内のグループ同士で浮気.

夫や妻の浮気.
浮気をされた
妻や夫はどうなるのか.

どれほど仲が良くても,
夫婦でも友達・親友でも
隠しごとの1つや2つは
あるだろう.

あえて言わないことも,
それを言うことで,
後々面倒なことも
あるだろう.
また,そんな話を,
それを知ったところで,
良いことは
何一つないのだから.
みんなが不幸になると
予測されるのなら,
あえて黙っていた方が
いいこともあるだろう.

言い訳の一言一言で,
場の雰囲気が
一転したりすることもある.

本作でも,
あれだけの秘密がバレても
人殺しや傷害などの事件が
起きなかったのが奇跡.
本人にとっては
隠したくてたまらない
大事件.

だから,こうした行為を
ゲーム感覚で
するのは良くない.

あえて言わない.
聞かない.隠すところが
あってその微妙な
バランスで表面上
平穏な生活が保たれているのだから.

イタリア原作のラストで
夫が語っていた言葉.
それがとても印象的だ.
「月食」の意味が奥深い.
原作を是非見て欲しい.

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
詳細プロフィールはこちら。