CGなしでの制作,愛らしさに社会矛盾も提起「ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日」

ホワイトライオン1

オススメ度:★★★★☆(3.8)
理由:わかりやすい
ストーリーの中にも
社会の矛盾を突いた作品.
大切なものは
経済の豊かさの中で
見失うことも多いはず.
世界各国で
放映させているだけの
コトはある.

本作品は
単に野生に逃したから
良かったね…という
水戸黄門的作品ではなくて,
オトナの事情.
経済矛盾をも
鋭く突いている作品だ.

この話,
実話を基づいたものかな?
と思ったけど,
そうではなくて,
監督の妻が
南アフリカの
ライオン飼育場を
訪れた後に
描いた物語が
元になっている
とのことだ.

3年もの年月をかけて,
しかも
コンピュータ・グラフィックスも
なしで描いたライオン.
動物の愛らしさ.
作品を創るのに
そこまでかけるのが凄い.

南アフリカの
ライオン飼育場を
経営する父親.
娘のミアは以前
一家が棲んでいた
ロンドンが懐かく
今の生活が好きでは
無さそうだ.
そんな彼女ではあるが,
飼育場にホワイトライオンの
チャーリーが生また.
彼女は,そのかわいい
チャーリーの
世話をすることに.

それにしても,
ホワイトライオンの
チャーリーいや動物の
赤ちゃんは,
みんな可愛いものだ.

そもそも
何故ライオンを
飼育しているのか.
「缶詰狩り」
(トロフィーハンティング)
という業者の存在,
南アフリカに
ティムババティ野生保護区
という存在.
ただ可愛いだけでは
済まされない現実を
知ることができる.
アフリカでは
トロフィーハンティングは
合法で一大産業でもある.
そもそも
「トロフィーハンティング」
と呼ばれるサービスが
富裕層観光客や外国人投資家
の中で流行り成り立っているのだ.

いわゆる娯楽だ.

動物を仕留めた
証拠に飾る剥製.
完全に個人的な趣味で
記念品=トロフィーを
収集するのだから.

当初の
トロフィーハンティングは
野生だったらしいが,
今では牧場や飼育場で
育てられた動物.
アフリカでは遊興狩猟牧場
というのが観光産業として
成り立っている.

ライオンを
トロフィーハンティングのために
育てるビジネス.
経済と環境保護を
両立する難しさを
突きつけられた.
やりきれない
現実矛盾.

知れば知るほど
腹立たしい.
そもそも,
チップ,チップ…
という文化も
欧米の植民地政策により
現地の人たちが
感化されたのだから.

グローバル化は
本当に人糸を
豊かにするのか

泣ける.
安住の地に
ライオンが還る時が泣ける.
いつ射殺されるかも
しれないという不安.

壮大なアフリカの風景.
青い空に草原が広がる.
象,シマウマ,キリン….
そんな澄みきった
大自然に突きつけられる
現実社会が辛いし,
悲しい.
そして残酷過ぎる.
本来の狩猟は
生きるためではないのか.
それを生きるためではなくて,
遊ぶため…なのだから.
それだけにやりきれない.

今年1月に観た「約ネバ」
鬼の食用人肉を
育てるファームを思い出した.
それでも「約ネバ」
鬼が食べるため,
生きるための人間と鬼
との約束だから,
このような趣味のための
殺生ではない.

ホワイトライオン

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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