後半の30分が見せ場.凄く惹き込まれ急展開「街の上で」

街の上で(2)

オススメ度:★★★☆☆(3.5)
理由:「愛がなんだ」の時のような,
心に刺さるものではなかった.
「愛がなんだ」あのモヤモヤ感.
切なさ…がたまらなかった.
しかし今作もいいところはある,
日常に繰り広げられる他愛のない生活.
その中で輝くものを切る取ると,
こんなにも輝く作品になるのだ.

人それぞれの人生.苦しさ,
寂しさ,楽しいこと,嬉しいこと.
それを人はいっぱい積み重ねる.
それが見事に融合しあっている.
それぞれ単独のように見えていても
人はどこかで繋がっているんだ.
まさに「集合的無意識の世界」
それは見知らぬ誰か?
そう思える人でも,
実は他人に見えても,
本当は無意識の世界では
繋がっていることを
物語っているのではないか.
良きにつけ悪きにつけ,
どちらにしても「運」とか
「ご縁」を感じる作品だ.

ほっこりしたい人には
是非オススメの作品だ.

「愛がなんだ」の今泉力哉監督.
本作はクラウドファンディングで
資金調達した作品らしい.
下北沢が舞台で妙に親近感がある.

日常から切り取るってのは,
本当は相当難しい作業には
違いない.
限られた時間で,人の感情,
人と人同士の触れ合い…
それを垣間見れるように
するのは,ホント大変だと思う.

監督自ら作詞作曲の
「チーズケーキの唄」が
妙に好きになった.

モーリスのギターで
若葉竜也が弾き語り…
いい味だしている.

そして,
好みもあるかもしれないけど,
穂志もえか,
中田青渚…
女優陣の演技が良すぎる.

いやぁ,序盤から中盤にかけて,
実は正直言って退屈で眠かった.
ところが後半の1時間かな?
いや,特にエンドロールまでの
30分が肝.
素晴らしいラストスパートだった.

「そうか」

あの退屈だった序盤,中盤は,
この時のための伏線だったんだ.

納得です.

その御蔭で
劇中で年甲斐もなく,
最初はクスッ!
途中で思わず声を
あげて笑ってしまった.

ありがちな人たち.
でも,こんな警官いないでしょ.
あり得ないでしょ!…的な警官.
その職務質問,
いや,待てよ.居るかもしれない.www

警官がプライベートなことを
聞いてもいないのに
勝手に話すところも面白い.
そうした変わった人も…
中にはいる,
いる…と,頷いてしまう.

本当に…どこにでも転がって
いそうな日常.
ありがちな女性,
そして男性.

まさに日常の会話と雰囲気.
男女の他愛もない話.
たとえばそれが,
女性に愛想つかされて
逃げられる男性だったりして.
未練心には,潔さがない,
そして女々しいけど,
だけど気持ちはわかる.
すっとずっと引きずる気持ち.
とっても共感する.

いつの世も同じだ.
まあ,男性が女性を
フルよりは,
男性はフラれた方が幸せだ.

それはそれで
後から見れば居心地がいいのだ.

そして何よりも,
これまた,
登場人物にワルが存在しない.

まさかの「芸能人」との恋愛.
そりゃ,成田凌なら,声がかかれば,
「はいお願いします」となるだろう.
わからないこともない.
まずは,
たとえ彼がいても
付き合うでしょう.www

ソープの話は妙にリアルで面白かった.
ありがちな話で,とても共感を持てて,
クスッとなった.

行きつけ店の呑み屋.
そこで交わすマスターとの会話.
日常.

独身女性の自宅に入らせてもらい,
ついつい個人的な恋愛話に華が咲く.
その時に漂うような
妙なワクワクとした,なんだろう…
不安が入り混じった緊張感.
期待したことが,
有りそうで無さそうな
あの雰囲気…絶妙だ.

不器用で地味で未練たっぷりな青年.
彼にとても共感が持てた.

後から考えれば,じわじわと
本作品の良いところが
スルメのように感じられる.

ほっこりできる.

街の上で(1)

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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