松竹100周年心温まる作品「キネマの神様」

キネマの神様

オススメ度:★★★☆☆(3.2)
理由:懐かしき昭和時代を
感じる作品.悪い人は誰に1人居ない.
気持ちの問題.義理と人情の世界.
笑いあり涙あり.人の気持ちが
通じる作品は心温まる.
主演予定の逝去で,
後を引き受けるのは,
相当の重荷だったと思う.
後味スッキリ.
映画って本当に最幸です.
作ってくれて感謝!ありがとう.

序盤,少し退屈な流れであったが,
このどうしようもない駄目おやじの
青年期に回想したシーンで
ようやく流れが面白くなってきた.
本作は,亡き志村けんが主演する
予定だった松竹映画100周年を
記念した山田洋次監督の作品.
その遺志を継いだ沢田研二は
もう73歳なんですね.
青年期は菅田将暉が主演を務めた。
そんな彼はいきいきろと
若い頃は映画監督助手を
務めていた.

本作の監督を努めたのは
「男はつらいよ」「釣りバカ」の
山田洋次監督は89歳.
本作は義理人情で生きてきた
映画人の人生を作品にしたものだ.

おそらく昭和30年代40年代,
映画の黄金期だったころの話.
幻の初監督作品になる予定だった
「キネマの神様」.
夢を諦めた青年期.
それから50年を経て,
彼は今では飲んだくれ.
博打で時間をつぶす人生.
おそらく波乱万丈の人生を
送ったに違いない.
そんなクズかカスのような
人生を最後の最後に救って
くれたのも家族.友.映画なのだ.

人生も後半,終わりを迎える手前.
そんなある日,
あの「キネマの神様」の脚本が
出てきたのだ.そのことがキッカケで
彼の気持ちに変化が現れる.

諦めた夢がリブートする.

劇中に流れた「東村山音頭」が
亡き志村けんを偲ぶように思える.

そんな義理人情の山田組に
初参加の菅田将暉と永野芽郁.
野田洋次郎/小林稔侍のテラシン役が
いずれも懐かしい昭和の香りで
ほのぼのさせる.

そんな中にあって,
銀幕のスターの
北川景子演じる桂園子.
北川景子とあの
小津安二郎の東京物語の
汽車のシーンがダブった.
紀子役の原節子である.
美しいものは時を越える

昭和世代といえば,
典型的なダメな夫と
それを支える
しっかりものの奥さん.
そしてその母を支える娘.
定番といえば定番.
第三やの立場で客観的に
捉える孫息子も良かった.

どうしようもない駄目男が
最後に家族や友に
放つ感謝の気持ち,
義理とか人情の世界は
失ってはいけないと感じる.

大林宣彦監督の遺作
「海辺の映画館 キネマの玉手箱」

とともに,コロナ禍の中,
失われた昭和の義理や人情を
一層取り戻す時代かもしれない.

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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