今回のこの作品はLBGがテーマになっています。その中でも特徴的なのは、なんと言っても「同性愛を矯正強要した実話をベースにしたもの」だということです。これはかなり強烈です。正直事前にこの作品の触りは知ってまた。でも、現実にこんな世界があるのからと思うと、考えさせられます。
昨年から本作品と同様のLBGTがテーマとなっているものといえば、
昨年の2018年4月に観た「君の名前で僕を呼んで」とか、 もちろん、大ヒットとなった「ボヘミアン・ラプソディ」。これは昨年12月に観ました。
そして、たっての友人からの薦めで、今年2019年1月にはAmazonプライム・ビデオで観た「おっさんずラブ」これは少し異色ではあるものの、テーマは類似している。
2019年2月には2017年の映画ではあるものの「ゴッズ・オウン・カントリー」。これを日本で公開することにもなった。
そう考えると、日本でも結構、LBGTに関する作品がそれなりに増えてきたようにも思える。
さて、この作品の流れですが、ジャレッドは大学生。何の不自由もなく両親から大切に育てられた一人息子です。ところが大学で、彼の身に、あるショックな出来事が…。それを境に彼は性について悩むのです。「どうも男が好きではないか?」と。気持ちもままならぬまま半信半疑で、ゲイであることを親に相談するんです。
しかしです。ところがです。両親は絶対にそれを認めたくない。小さな田舎街です。噂もそうかもしれませんが、それ以上に、彼のお父さんは牧師。その告白を絶対矯正したいと考えたんです。どうしてかというと、牧師は牧師でも特に熱心なキリスト教徒、福音派であったから許せなかった。厳格な牧師であり続ける父親。その父親の判断で、教会が支持している、なんとも怪しい同性愛者矯正施設に行くことに。そこで彼は信じられな「転換プログラム」というものに参加することになる。
で…
そこはとんでもない、「自分に素直に生きる」ということを捨てて、「嘘で固めだ世界」で生き抜くという我慢できないイデオロギーを植え付けようとするもの。最初は受け入れよと努力もした。でも不安の中に漂うジャレッド。そして彼は、はっきりとわかってきたのだ。
これはまずい!ということで、母親に救いを求めた。母親役のニコール・キッドマンの演技がとても印象深い。実にいいのだ。息子から施設の実情を聞き、一旦は入所に同意したが、それは誤りだと気づく。
そして、次に彼が起こした行動とは…。
衝撃の実話。そして同性愛矯正施設の存在とその実態。キリスト教という宗教性の問題もあろう。そして根強い保護者の先入観。反発。いろいろな差別、性差。考えさせられます。
親がそうした息子を認める、そして、一旦離れた家族が、互いに異なる意見を認め、自身では納得はできないにせよ、相手の意見として受け入れる気持ち。家族はやはり家族なのだ。
エンドロールで、実際の画像を見た時、「ああ、これは事実なんだ。」という衝撃が走る。
神様とは一体どこに存在しているんだろうか? それは自分自身の中に、奥底に居るのではなかろうか。とてもいい作品でした。★★★★☆
投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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