不朽の名作「市民ケーン」の脚本家を描いたNetflix作品「Mank/マンク」

MANK

オススメ度;★★★☆☆(3.0)事前勉強超オススメ.事前チェックで★★★★★(4.9)なるほど業界のドロ臭さがよく分かる.
理由:映画業界のこと.
政治のこと.
監督と脚本の関係.
マンク自体の人間性.
これは奥が深い.
Netflix配信でも楽しめるが,
やはりモノクロ画像を
映画館楽しみたい.
これは映画の醍醐味を
心底味わえる作品だ.

マンク

序盤,足の骨を折って,
ベットに居ながらにして,
酒を浴びながら執筆する…
そんなシーンからはじまる.

本作品は脚本家ハーマン・J・マンキウィッツこと通称マンク.
55歳という若さで
アルコール依存症で亡くなった.
昭和初期.1930年代の
ハリウッド.世界恐慌も
あった時代だ.
キーワードとしてキングコング.
日本人のイメージ,
ナチスの存在.
それがよく分かる.

不朽の名作と言われる
「市民ケーン」の
MGM専属の脚本家だ.
「市民ケーン」は名作で,
その背景を描くのであれば,
普通であれば監督のオーソン・ウェズルズに
焦点があたる.
それが本作では
脚本家に焦点をあてた.

あの鋭いジョーク.
相当頭がいい.いや,
天才なんだろう.
不遇の天才だ.
だから監督も彼を
半ば監禁状態で
執筆させたんだろう.
妻のサラ.
あんいい加減なマンクに
よくも嫌気がさし,
逃げ出しても良さそうだけど,
そうならないのは,
それだけ彼に魅力が
あったんだろう.

普段の生活を見ても,
あのいい加減な日常,
アル中からは
とても想定できない.
そんな彼は,粋なことをする.
なんと村人100人以上を
ナチからアメリカに
逃したというのだ.
とても人情味がある.

反骨精神で天の邪鬼.
本当に熱い人だ.
結構資金もあっただろうに
その不器用な生き方に
何となく共感を抱いてしまう.
賭博も大好き.
恐らく「飲む・打つ・買う」で,
とんでもなく,
そして,どうしようもない
人のように見えるが
そうではないらしい.

正義感の強い一面は,
あのカリフォルニア
州知事選の出来事だ.

アレだけの圧力を
映画業界から受けても
共和党への寄付金を
一切支払わないマンク.

MGMの創設者メイヤーといえば,
「ジュディ 虹の彼方に」での
悪態ぶりが蘇る.そして繋がる.
「市民ケーン」の製作秘話.
当時のハリウッドの
プロデューサー,監督,人気女優.
政治・資本と労働.業界の霧.

そしてマンクの弟は
後に2年連続でオスカーを
受賞する事になる名匠だ.

映画「市民ケーン」は
Amazon Primeで
観ることができる.

『市民ケーン』(1941年)
オーソン・ウェルズの
監督デビュー作だ.
世界映画史上のベストワン
として高く評価されている

新聞王ケーン,
その主人公のケーンが
ウィリアム・ランドルフ・ハーストを
モデルにしている.
だからハーストにより
上映妨害もあったという.

アカデミー賞で9部門に
ノミネートされながらも
オスカーは脚本賞のみだった
のもそのせいらしい.

作品を楽しむには,
こうした作品の元と
なった「市民ケーン」の鑑賞
そして,マンクが本作で回想する
1930年代から彼が
オスカーを受賞する40年代の
アメリカの映画界.
カリフォルニア知事選を
さらっと頭に入れておくと
いいかもしれません.

プロパガンダ的な
ニュース映画.
それがファイクニュース
だったりもする.
実在の人物の登場で
内容がわかると
より楽しめる作品だ.
これは面白い.

ゴールデングローブ賞

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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