中身が嘘の人と外見が嘘の人「ライアー×ライアー」

ライアー

オススメ度:★★★★☆(3.8)
最後はハッピーエンドの
水戸黄門的な作品ではあるが,
エンドロール数分前から泣けた.
わかる,わかる…その気持ち.
わかるわ…という気持ち.
どの登場人物にも共感できる.

JKの「みな」よりも
地味女子大生の「湊」の方が
個人的には好きだ.
その役を演じる森七菜が
とにかく最幸でした.
そうか…あの昨年観た
「ラストレター」の….
ようやく繋がった.

自分の中(心)に
嘘をつくライアーと
自分の外(外見)に
嘘をつくライアー.

原作は金田一蓮十郎の
恋愛漫画(全10巻).
そう聞いてあまり行く気が
しなかった.
このノリ.完全にエンタメで,
かつ,お笑い系.
序盤・前半は少し正直,
退屈で想定どおりだと思った.

そもそも,
そうした作品は予告編が
流れた段階で観ない
はずだったのだ.

ところがこの映画,
映画コメンテータの
直島美佳さんや
ベストセラー作家の
樺沢紫苑先生の
イチオシなので,
ちょっと観てみるかなー.
ということで観ることに.

見事に期待に反して
これは良かった.

本作は再婚した夫婦.
その子ども同士が同い年.
つまりは同年の義姉弟.
その恋愛漫画が原作だ.

義理の弟の不特定多数の
女性癖,それを正すために,
ちょっとした義姉の嘘.
軽い気持ちの嘘.
そうした遊び心から話が
展開していく.
相手を騙す罪の意識.
そして好きだから思う嫉妬.

コメディの中に複雑な
心の動きも描かれていて
見事だ.

昔憧れていた烏丸くん,
本当は大好きだった弟くん,
そのことを想うその気持ち.

もう嘘の世界を終わりにしよう…
そう思って決心する
「これで終わりにする」と.

騙した時に感じる,
なんとも言えないモヤモヤ感.
自己嫌悪.最低な自分.
悪い気持ち.罪悪感.

一方,好きで好きで…
本当にたまらないという
この気持ち,
だからこそ,余計に反対に,
人が嫌がることをする.
所詮無理…諦めの気持ちから,
どうでもいい…
なぜ,そんなことをするの?
それでもしたい気持ち.
とても共感する.

投げやりな気持ち,
どうしようもない気持ち.
特に自分で自分の気持ちが
わからないことって…
あると思う.

そしてもう一つ.
この作品の良いところは,
だれひとりとして
登場人物に悪い人がいない.

誰ひとり居ないというのは,
本当にいい.
ほっこりする.

そういう世界で
生きたいと
誰もが願うハズだ.

相手を慮る(おもんばかる).
相手の気持ちを大切にする.
自分の気持ちに素直になる.
そうしないと逆に
自分が壊れてしまう.

そんな想い,

男の方がシャイなのかな?
本当の自分の気持ちには,
一番気づかないものかもしれない.
知らず知らずに
キッカケができる.
それも運命のいたずら.
偶然も必然なのだ.
モテる時は重なる.

序盤…
なぜ,彼女はお城好きなのか.
部屋中にお城のポスターが
あるのは何故か.
日本百名城.
私もスタンプを集めている.
別の意味で
共感部分があった.

特に「犬山城」は
実家からも近く,
身近で親近感が湧いた.

約20数年前の
嘘つき弁護士の映画
「ライアー ライアー」と
ちょっとだけ横切った.

涙が溢れて気持ちの良い作品だ.

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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