何処が大人んだ!観ていて腹立たしくなる「わたし達はおとな」

おとな(1)

オススメ度:★★★☆☆(3.0)
理由:わかるけど,ありそうだけど,
何故か歯がゆい.リアルすぎるから
腹立たしく思えるのかもしれない.
こんないい加減な恋愛があるのか.
ひょっとして,
潜在意識の中で自己否定している
自分の投影なのか.
大学生同士の恋愛.
でもラブ・ロマンスには程遠い.
決して骨太作品ではないが,
爽快感すらも感じない.

女子大生の優実.
そしてサークルを通じて
知り合った先輩の直哉.
これがどうしようもないカス.
でも優実も優実で,彼女も
妊娠していることに気づくも,
お腹の子の父親が誰の子なのか
分からないという凄さに驚嘆.

そして,彼女は親の仕送りで
贅沢なマンションに一人住まい.
超適当な優実は,好きでも無い
半ばストーカのような男子学生から,
高そうなプレゼント何度も受け取る.
一様は断りつつ,ついつい,
もらってしまう気持ちの弱さ.

寂しい気持ちで,合コンの勢いで
自宅に招いてしまい,避妊せずに
エッチまでする始末.
それが後々に誰の子か分からない
という曖昧さを生むことなる.

そこに直哉が居座る.
というか別の元彼女の
住まいからの移動.まさに紐状態.
しかも元カノが妊娠中絶で
寝込んでいる最中に優実と
お泊りに行くような
どうしょうもないクズ.

思いやりの欠片もないのに,
それでいて優しい言葉を
巧みに使いこなせる
特技を持っている.

そんなカスでクズのような
彼に食事を作る.
彼は彼で演出家を志望し,
大学を卒業しても就職せず,
自分の劇団を旗揚げすると
息巻くも,それは「幻」

「愛がなんだ」とも
「劇場」とも,
全く似て非なる作品だ.

観ていて「いい加減にしろ」と
言いたくなうぐらいの作品.
これだけ,別の意味で感情を
揺さぶられる作品もない.

自分のダークの世界が見え,
対峙することができる.
所詮他人事なのに,
ここまで怒れるのは何か.

あまりに身勝手な男女.
ここまでカスやクズとなると,
鑑賞しているこちらは
なにを頼りに救済を求めれば
いいのか.

ここまで日常生活が描かれていると,
とてもこれがフィクションでなく,
現実にもあるかもしれない
というリアル感があり,
だからこそ,腹立たしく
観てしまった自分がそこに居る.

カスとクズ同士なのか,
同情のするところが全くない.
唯一,優実の父親に哀愁を感じた.

口論が噛み合わず,
自己中まっしぐらの口喧嘩は,
観ているだけで不快.
そして彼がその場を立ち
去った後に,腹が減って,
お昼ごはんを作るあたりが,
動物的で食事が喉を
通らないということもなく,
自炊して普通にできる感覚も
ついていけない.

ここまで胸糞悪くなる物語は
他に類を見ない凄さ.
自己中まんだくれ.
未熟でカスのような恋愛を
観ることはまずない.

こうした作品を観たとき,
自分はこんな感情が
生まれるんだ!と認識した.

おとな(2)

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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