まさに涙と笑いのバランスが良い作品「浅田家!」

浅田家1

オススメ度:★★★★☆(4.2)
理由:あの両親にして,あの家族.
ほのぼのとした,それでいて変わって
いる.馬鹿をそこまで徹してやる
ところが面白い.
主人公の撮る家族写真の数々,
普段の家族の幸せな瞬間,家族の絆,
その思い出を写真を通じて必死に
残していくシーン泣ける作品.

浅田家2

津の写真家浅田政志の実話に
基づく作品.監督は
「湯を沸かすほどの熱い愛」
「長いお別れ」の中野量太監督.

家族愛と幼馴染に支えられ
ながら,好きなことをやっていく.
時にはそれが思い通りに
行かないこともある.
何ら釣る目的もない堤防からの
釣りが印象に残る.

社会の最小単位である家族.
家族を大事するということ.
「朝が来る」とは,同じ家族を
対象にした作品であるが,
対峙するような作品のように思える.

無口で,主夫をしている優しい父にして,
看護師で一家を支える母,
いちいちうんざりした顔を
しながら,いつも弟を
気にしている兄.
面白家族の浅田家.

幼い頃,父から与えられた
カメラが起点となり写真家を
試みるも,
そう簡単なものではないことは
容易に想像できる.
写真専門学校の卒業も出席日数で
単位も足りず危うい主人公が
学長賞まで取った作品もあって
才能はあるんだろう.
でも,就職もせずに,
パチスロや釣りにハマる.
そうした堕落した,いや,
ぼーっとした無駄と思える時間.
そうした冷却期間も後の,
写真の業界の有名な賞を
受賞する布石であったかもしれない.

浅田家といった個人的な家族の
面白写真.とてもベストセラーに
なりそうにない作品が,
見事に賞に輝いた.

そこからは人生が一転.

その間,諦めずに出版社を30数件
問い合わせる姿は,やはりメゲズに
続けるという継続が力ということを
証明したような出来事だ.

浅田家のような写真.注文に馳せ参じる
とした冊子のコメントに,
はじめてお客さんがつく.
それが東北岩手の家族だった.

幾年が過ぎ,2011年3月11日を
迎える.東日本大震災.
はじめてのお客さんの思い出の地.
そこから東北での写真の復元
ボランティアに加わることになる.

東北で家族.そして,それぞれの
家族の絆を画像にカメラに収める.
写真には思い出が詰まっている.
写真というのは,一見記録にも
見えるが,見る人によって
思い出が蘇り,写真で救われることも
あるし,その写真そのものが
まるで息をしているような気さえ
感じる.写真とは素晴らしいものだと
改めて感じた.一時の記録でしかないが,
そこには本物のドキュメント作品を
見ているような感覚だ.

面白いこと,やりたいことを我慢しない.
出来ない時には,休憩してもいい.
それでも気づいたら続けている.
大事なものは忘れない.
そんな当たり前に思うことが,
大事なんだとあらためて感じた.

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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