グラミー賞受賞後も実家で普段の生活「ビリー・アイリッシュ 世界は少しぼやけている」

ビリー・アイリッシュ

オススメ度:★★★★☆(3.8)
理由:富と名誉を得ても尚謙虚に生きること.
奢らずに家族を大切にする.
それが孤独から逃れることだ.
自分を制御することはできないかもしれない.
それでもメンターが周囲にいれば自己修正ができる.

ちょうどアジア系人種に
差別的発言のSNSで話題が
沸騰した合間に鑑賞.

確かに日本車を蔑むところも
あったものの,
白人社会での
アジア系に向ける視線は
そんなものかもしれない.

一瞬のうちに伝えられるSNS.
しかしそうした
ネット社会で生まれたスターが
彼女なんだ.

若くして頂点を極めた人で,
その後末永く安心な老後を迎えたという人が
余りにも少ない.
ジュディ,マリア・カラス,ホイットニーも….
ドラックやお酒に溺れる.

「ジュディ 虹の彼方に」
「マリア・カラス 伝説のオペラ座ライブ」
「ホイットニー オールウェイズ・ラヴ・ユー」

若くして,そんな名誉を得たビリー.
しかし彼女は違うように思える.
あのグラミー賞主要4部門を制覇した
若干18歳のビリー・アイリッシュ.
そしてその家族.
兄のフィニアス.
父も母もやさしい.
音楽一家でもある.
特に母のマギー.
彼女の娘を思う愛情は半端ない.

これだけ,
もてはやされ非現実を
見せつけられてしまうと,
自分を冷静に保つことは
難しいはずだ.
にもかかわらず
彼女を良く理解する家族.
これを家族愛とでも呼ぶんだろう.
そして愛犬.

保つことができない
ようにも思える.

ライブで会場を
あちこちへと走り回るたびに,
絶えない怪我.

こちらが観ていて
横柄な彼女の言動.
特に母親に馬鹿(idiot)
と言うとは….まさに子ども.
それだけ逆に家族愛が
濃すぎるということかもしれない.

自分との対峙.
そして成功を勝ち取っていくビリー.
彼女が歌う歌詞に共感するのだろうか.

自宅のベッドで口ずさみながら
書き上げる曲.
彼女がデビューする前から
グラミー賞に輝くまでの
ドキュメンタリー映画.

彼女の幼い頃の映像.
家族に育まれた中での
レコーディングや
デビュー当時の画像.
普通の家族.
普通の女の子の
ビリー・アイリッシュ.

デビュー以降の彼女の飛躍.
それで天国の階段を上り詰めた
サクセスストーリではない.
単に成功路線を
美化するわけもではない.

世界中で熱狂的ファンが
彼女を囲む.マスコミ,
ライブツアー,
憧れの人との対面.
彼女が舞台にあがれば,
はじめは嬉しい.
徐々に憂鬱になってくる.
成功と失速は紙一重だ.
精神的な負担.怪我.孤独….

いや,孤独になりかけていくのを
支えるのがやはり愛情.
それはパートナーではない.
両親と兄,
そしてあの可愛い無垢な愛犬なのだ.

一般大衆受けを嫌うビリー.
やはり天才は違う.
怪我や挫折.そして成長.

「アリー/スター誕生」

まさに,
アリーがビリーに変わったような作品だ.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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