久々に鳥肌のたった映画作品に出会った。
孤独。仲間の裏切り、身内の裏切り。絶望。
底辺から這い上がるには、怒り。憎しみ。
こうした人間味溢れる悪の描き方もあるのではないか。
スター・ウォーズのアナキン・スカイウォーカーと重なって見える。
暴行、相手を抹殺したときの高揚感。この作品は凄い。
何度も精神的な問題や貧困に苦しみながら、
コメディアンという夢をめざしていたジョーカー。
人の心のバランスは、簡単に壊れやすいものだと思う。
常軌を逸した行動とは、だれの正義なのか。
客観的ではなくて主観なのかも知れません。
あのコミカルで不気味なジョーカー。
心優しいアーサーがジョーカーへと変わっていく。
あのバットマンに登場するジョーカーは、
如何にして創られたのか。そして誕生したのか。
その経緯がわかる作品。
この作品を観る前には、
バットマンの作品に出てくる都市や病院名など
バットマンを見たほうがいいかも知れませんね。
決して笑えない中身ではあるが、
特に精神医学的には多分、興味深い内容ではないだろうか。
人生は思い通りには必ずしもならない。
加えて精神的な病を患っていれば尚更である。
悪いことが重なってくればくるほど、ネガティブになっていく。
そんな時に流れる曲がどんな最悪な日があっってもスマイル…。
明日のこない日は確かにない…。
何とか、ポジティブに、明るく振る舞おうとするアーサー。
皮肉にも音楽がいい。
スマイル、マイ・ウェイ、ゲイリー・グリッターなど。
確かに涙は何の役にも立たない。この作品には泪はない。
貧困層と富裕層との格差。それぞれの感情。
社会の歪。そんなことも、背景に描いている。
反社会的なデモ。民主主義も紙一重。一体、何が世論なのか。
こうした状態にいつでもなるようなそんな、リアルさ。
実に奥が深い。
偶然も必然。
最近はこうした社会の歪みをテーマとした作品に多く出会う。
「ROMA/ローマ」
「存在のない子供たち」
「あなあの名前を呼べたなら」
「ハワーズ・エンド」
オススメ度:★★★★☆
理由:とても共感する箇所も何度かあった。
出来事をポジティブに考えよ。それでも現実はそうではない。
いつ、こうした状況になるのかかわからない出来事。
そうした体験を作品を通じてしたい方。そしてその心理を知りたい方。
バットマンの誕生。ジョーカーの誕生に興味のある方にはオススメです。
妄想と現実が入り乱れる中にあって、
人はどうやって心のバランスを保つというのか。
バットマンがこうして誕生したんだ。ってことがわかる。
“俺の人生は悲劇? いや、喜劇だ”
「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」
という母の言葉。
孤独だが心優しいアーサー。
優しいアーサーからジョーカーへと変わっていく。
その怒り憎しみがよく描かれている。
ここまでするのか…とは思うが、気持ちはわかる。
誰しも大なり小なり持ち合わせているダークな部分、
そこに共感する、まさに悪の心が湧いてくる。
緊張と怒り。そしてその行動に悲しくなった。
気持ちがわかるだけに。強く残る作品だ。
投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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