庵野監督ありがとう…随所で泣けた「シン・エヴァンゲリオン劇場版」

シン・エヴァ1

オススメ度:★★★★★(5.0)
理由:単純にエヴァのファンだから.
映像も音楽も,音響もこれぞ
エヴァの世界観.宗教感,
スピリチュアル,パラレルワールドを
思わせる宇宙感.
虚の世界と実の世界.
まさに次元の設定も素晴らしい.
パンフレットも購入できて大満足だ.

庵野秀明監督
「シン・エヴァ」MX4Dで視聴.
MX4Dの大画面と迫力の音響.
やはり劇場で観るべし.
『新世紀エヴァンゲリオン』の
リビルド(再構築)による本作は,
07年『
09年『
12年『』に
続く第4作目にあたる.

それにしても,
おびただしい数の専門用語.
その情報の洪水の中にあって
振り返るためには
一度ではわからない.
でも凄い満足感.
たぶん,それは庵野監督の
最後のエヴァとの時間を
愉しむための
プレゼント=宿題
ではなかろうか.
劇場で鑑賞前に
いただいた
しおりに新用語の
キーワードが書かれている.
これは助かる,参考になる.
まだまだ首を捻りたくなる点も
あって,自分なりに謎解きが続く.
これはもう数回行くことになろう.

ま,内容は後からじっくり
Netflixかamazon Primeで
確認すればよいのかもしれません.

やはり天才庵野監督だけに
エヴァはその期待を裏切らない.
』は余りに
すっ飛んだ内容で,
どのように収集するのかと
興味津々であったが,
落とし所は
全くもって
見事としか言えない.

人間は
禁断の実を食べて
知恵をつけた.
そして知恵をつけたその人間が,
今度は園にある生命の実を
食べてたとしたら
永遠の命を手にすることになる.
だから神は
自分の地位までも
脅かされることを恐れ
エデンの園から追放した.

人は神を超えられるか.
魂は永遠であり,
そうした意味では
神の領域かもしれない.
本作では
謎解きが次々できていく.

息子シンジと父ゲンドウ.
失った最愛の妻ユイは
息子シンジの中にこそあった.
これは魂の触れ合いに通ずる.
相手を否定するのでは
何の解決にならない,
相手を認める.
そして相手を赦す
そして自分を赦すことから
解決の糸口はあるのだ.

ゲンドウは実は息子が怖かった.
逆にシンジもそうした父が怖かった.
父の闇は深い.
それはシンジにも
共感するところでもあろう.
辛さゆえ未熟ゆえ孤独へ走る.
そして解決の糸口は自己開示.
そうすることで結果として
互いの魂を赦すことになるのだ.
それは自己肯定することにもなる.

すべての謎が解き明かされる時,
「さよなら全てのエヴァ」
となる.
エヴァのない世界.
そうした平凡な毎日が
どれほど幸せなことなのか.

本作に「インターステラー」を見た.
シンジの「うらしま効果」,
人は肉体があるから
いつかは滅びる.
しかし魂は滅びない.
魂の安らぎ.
われわれのいる現在空間は
3次元であるが,
この世には私たちの知らない
高度な文明もあるだろうし,
異次元空間も
あるかもしれないのだ.

3次元空間ではなく.
高度な次元には肉体を離れた
神の領域が
存在するのかもしれない.
夢や回想,過去の思い出も.

独りぼっちは寂しい.
式波・アスカ・ラングレーの
孤独感.頑張っても叶わない
という現実.
シンジの父ゲンドウに
対する嫌悪感とコンプレックス,
綾波の心の動き.
人は共感することで,
その作品を通じて
温かみを感ずる.
本当に充実した
中身の濃い作品.

正確には覚えていないが,
加持がシンジに言ったセリフ
「親子は殴り殺すか
肩を叩いて抱き合うかの
どちらかしか,ねーんじゃないか」
結局シンジは,
父を殺して
克服するのではなく,
父と視線を交わして
話し合って和解する
ことを選んだのだ.

診療所のトウジのセリフ
「力不足で救えなかった
人の気持ちも受け止める.
それが落とし前を
つけるということだ」

まさに
「終劇」「責任」を
果たした作品だ.

終わってほしくないエヴァ.
この描き方では続編も
スピンオフも作られることは
おそらく無いように思えた.

絶望の槍ロンギヌスと
希望の槍カシウス,
そして絶望の象徴が
13号機とすれば
希望の象徴が初号機.
そして2つの槍に加えて,
新たに創った3つ目の槍は
ガイウス….
ガイウス・カシウス・ロンギヌスは
ブルータスとともに
カエサルの暗殺首謀者だ.

カエサルを
父ゲンドウに置き換えると
3つの槍の意味が
ロンギヌスのフルネームの
ガイウス・カシウス・ロンギヌス
ということがわかる.

奥が深い.
「調べて勉強しな」って
天才庵野監督から
言われているような作品.

エンドロールの直前の風景.
JR宇部線宇部新川駅,
庵野監督は山口県宇部市出身だから.
最後の節目らしい終わり方だ.
ありがとう本当に.
素晴らしい作品だ.

シン・エヴァ2

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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