秦建日子小説の映画化「サイレント・トーキョー」

サイレント・トーキョー

オススメ度:★★★☆☆(3.5)
理由:秦建日子の
サスペンス小説だけに,
そのストーリ展開は面白い.
スケールも大きい.
テロの動機がその深いところ.
その知りたい深みに
今ひとつではある.
しかし真の犯人は一体誰?
というのは,その展開,
最後まで楽しめます.
豪華キャストだけに
作品にかける勢いは半端ない.

東京を舞台とした
連続爆弾テロ事件を巡る
サスペンス小説
『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』
脚本家であり小説家の
秦建日子による小説の実写化.

佐藤浩市といえば最近では
「Fukushima 50」
石田ゆり子「マチネの終わりに」
西島秀俊といえば「散り椿」
オズランド 笑顔の魔法おしえます」,
人魚の眠る家」,
それに「空母いぶき
中村倫也は「水曜日が消えた
が浮かぶ.豪華キャストだ.

エンディングソングは
Awich『Happy X-mas (War Is Over)』
作品の余韻を愉しめる.

渋谷ハチ公前の予告テロ.
「ある訳ない」と,
確信の無い自信.
まさか自分は被害者にはならない.
SNSにアップしよう的なノリ.
そこに想像を絶する状態が待っている.

臨場感溢れる場は,
今居る安全な場からは
想像できないものかもしれない.

自分には関係のない位置関係.
他人事.そんな感覚だ.

リアルに感情も含めて
想像できるかどうか.
当事者になれるかどうか.

現実には無いものかもしれないが,
それが想像できるかどうかは大きい.

戦争とは,人の命が理不尽に
消されていく.その悲惨な気持ち.
当事者.必死に生きるということ.
たとえ死から免れても,
五体満足でない状態で
これから先生き続けることにも
なるかもしれない.
家族友人を失うこともあろう.
わかっていながら,
筋を通そうとすると,
戦争という選択肢を採るのか.

実際に現場で経験した人の気持ち.
ベトナム戦争経験者の苦悩.
トラウマ.現場で経験した人が
メンタル面でバランスを崩すことは
よく知られていることでもある.
戦争現場で経験した酷さが自分を
いじめるということか.

最後の最後まで騙されてしまう展開.
さすがサスペンス小説からの作品.

映画作品の限られた時間で
表現しきれない感情.
めり込むには,少し端折過ぎた感じだ.

「これは、戦争です」

東京・恵比寿,渋谷ハチ公,
東京タワー,レインボーブリッジ…

ハチ公前の大惨事は,
もしもこんな予告があれば,
恐らくこの作品のとおり,
首相は「テロには屈しない」と
発表するだろう.
それをマスコミが視聴率を
競いスクープを収集する.
そして爆発予告の場所には,
馬鹿な若者が集まり
お祭り騒ぎをする.
そしてカウントダウンとともに
爆弾が爆発し,
集まった人たちが死傷し,
大惨事になる.

そんなトンデモナイことが
現実にもありそうな群集心理.

恐らく映画化されることを
前提に小説を作ったのではないか
と思えるようなストーリだ.

ただ.これだけの規模のテロを
働くなら,犯行声明に,
その理由を,
ただ,「首相と取引したい,話したい」
ではなく,
もっと具合的な要求があっても
おかしくないように思える.

以外な人が犯人という展開は面白い.
ただ,その意図テロの本当の目的.
もう少し具体性がほしいところだ.

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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