さかなクンの半生を観ることができた「さかなのこ」

さかなのこ

オススメ度:★★★☆☆(3.6)
理由:幼い頃から魚が好きで
好きでたまらないさかなクン.
さかなクンの生き方.
まさに「好きなことを我慢しない」
真っ直ぐに生きていくことだ.
欲を言えば,
もう一つか二つぐらい何か捻りが欲しかったか.
それでも,さかなクンの天然さ.
嫌味なところが全くない.
本人は友達から馬鹿にされているのか,
あるいはイジメられていることすらも
感じない鈍感さ.
本気か冗談かわからない天然さがいいのだ.

原作は,さかなクンの自叙伝
「さかなクンの一魚一会 まいにち夢中な人生!」
そこに脚色を加え,面白おかしく,
あえて「さかなクン」を女の子として描く.
あのエッセイを一体どのようにして脚本を描いたのか.
どんなフィクションを創造したのか.

小学校低学年のうちから,
寝ても覚めても魚のことばかり考えているさかなクン.
そんな子を父は他の子と較べて心配する.
他方,母は暖かく見守り,
むしろやりたい事を我慢せず後押しする.
普通とは一体なにか.
基準とは誰のものか.何を基準というのか.
そもそも基準に従うことはない.
そうは言いながらも,
自分の子どもの才能を信じて,
そこまで素直に
「今のままでありのままでいいのよ」とは
なかなか言いにくいものだ.

そんな家族は,
実はさかなクン以外は
全員魚があまり好きでは無かったという.
それも描かれていて,
まさに「ぎょぎょぎょ」

それでもさかなクン好むならと,
毎日のように蛸料理を出したり,
水族館に連れて行ったりする.
子が興味の湧くことに目を
逸らすことなく,その芽を摘まない.
成長させる姿勢が素晴らしい.

好きなことも時間とともに
色あせ変わることが多い中,
さかなクンは高校生になっても
相変わらず魚が大好き.
純粋さ.そのひたむきさ.
真っ直ぐに突き進む素直さ.
そして両親はじめ同級生や職場の仲間,
ほっこりさせてくれる.

やはり,「好きなことを我慢しない」
そして「諦めない」やり続けることだと痛感.
もの凄く必死で頑張っているわけではないけど,
偶然がたまたま重なりご縁となり,
サクセスストーリーとなっていく.

決して骨太作品でも,
それでいて娯楽作品でもない.
少し物足りなさも残る.
それでもニュートラルで
楽しめる作品ではある,
これほど,魚好きが高じて,
受験で落ちた大学の教授を務めるとは.
好きもここまで真っ直ぐだと
その生き方に憧れさえもつ.
ホント「普通って何?」
「好きに勝るものはない」といいたい.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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