26年前の劇場風景が蘇る「イングリッシュ・ペイシェント」

映画祭11

オススメ度:★★★★★(4.5)
理由:午前十時の映画祭.
こんな機会が無ければ
再び観ることは無かった.
そんな機会に感謝だ.
1996年の作品.
26年前の封切られた
もので,当時私も
映画館で観た
作品でもある.

そこで判ったのは
記憶というのは
いい加減だと
いうことだ.

また劇場で
観ることができて
本当に良かった.

そして,
はっきり見えた.
これは,やはり
アカデミー賞受賞の名作だ.

スパイは
誰だったのか.
英国側でありながら,
ドイツのスパイは
誰だったのか.
なるほど伏線が凄い.

複雑な人間関係.
すっかり記憶が
薄らいでいた.
こんなにも,辛い.
そして,こんなにも
伏線がいっぱいで
奥深い.
友情と恋愛.
雇う側と雇われる側.
アラブ人,インド人,
ハンガリー人,
イギリス人.
貴族や身分.

あの大画面での
砂漠の美し景色.
あの名曲の
バックミュージックが
蘇る.こんなにも
映像が美しいとは.

第二次大戦末期の
イタリア.看護師ハナは
患者とともに廃墟の
修道院にいる.

彼は砂漠の飛行機事故で
全身に火傷を負っていた.
その患者はイギリス,
それともドイツの患者なのか.

やがて作品が
過去の記憶に遡る.
エジプト,リビアで
考古学調査をしつつ,
サハラ砂漠の地図を
作成している.
そこで考古学上重要な
泳ぐ人の洞窟を
発見したのだ.

キャサリンと
アルマシーの不倫関係.
キャサリンのアルマシーに
対する想いが切な過ぎる.
重症を負った彼女を必死に
助ける.
絶体絶命の最大のピンチだ.
よりによって,そんな時に,
なぜ名前だけで
国籍を間違えられるのか.
伯爵がつくだけで…
理不尽極まりない.

ハンガリー人だから,
ドイツ人に間違わられ,
撃ち落とされ
負傷した時には.
イギリス人に
なってしまう.

こんな内容だったんだ.

人の記憶とは
如何にいい加減なのか.

まさに過去と現在を
行き来しながら進む流れ.
それこそ映画の醍醐味.

好きを我慢しない.
恋に落ちるのに理由は
必要ないのかもしれない.
不倫容認というわけでは
ないが,不倫という自らが
選んだことが,
他の人の悲しみを生む.

しかし喜びになる人も
そんな相手もいる.
2つに阻まれて
葛藤で心が折れそうになる.

軍人でもない民間人が
諜報員や軍関係者に
疑われる.
だから一般人が
戦争の犠牲になる.

その理不尽さ.
戦争が無ければ,
不倫の二人は
助かったかもしれない.
そう思うとまた切ない.
裏切られた夫もまた切ない.

映像といい,音楽といい,
申し分ない作品だ.

投稿者プロフィール

アバター画像
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
詳細プロフィールはこちら。
PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました